求められる履歴書の意味

Q. 日本語教師の就職活動をしている者です。勤務先の日本語学校の求人に応募する際の履歴書は、手書きのほうがよいのでしょうか。それともパソコンでタイプ打ちしたもののほうがよいのでしょうか。応募書類に特に指定がない求人が多いので迷っています。手書きの履歴書は見てもくれない、という話も聞きますし、履歴書は手書きじゃないと、という話も聞きます。実際のところはどうなのでしょうか。


A. 勤務先(雇用先)によっても様々ですので、一概にどうこうと予断を下せるものではありませんが、必ずしも手書きの履歴書が有利(そこまで効果がある)という時代でもなくなってきているのも事実です。
以下、何パターンかにわけて説明しますので、ご参考にしていただければ幸いです。

 「手書きの履歴書」の指定がある場合

日本語教師の求人情報などを見ていると、応募の際の提出書類欄に、たまにハッキリと「手書きの履歴書と職務経歴書を下記送付先まで送付してください。」と記載してあるものがあります。その場合は、手書きのものを書かなければ、確実に不採用となります。

手書きを求めてくるところは、概ね、昔からやっている古い日本語学校で、かつ国内の学校が多い傾向があります。なぜ手書きを求めるかというと、古株の採用ご担当者などが、

1.字に性格が表れるので、字を確認したい。
2.日本語教師は板書が多いので、読みやすい字かどうか確認したい。
3.一般常識を確認したい。(修正液や修正テープなどを使っていないか、など)
4.誤字脱字なく指定の書類が作成できるか、チェックしたい。

といったポイントを主にチェックしたいためで、特に保守的で伝統的な学校が、手書きを求めることが多いです。

特に上記1と2については、字は「うまければよい」というわけではなく、相手方が見て読みやすいか、のほうが重点が置かれています。習字や硬筆などをやっていて字に自信があるからといって、達筆で力を入れた筆跡で書いてしまうと高圧的な印象を与え、逆効果になる場合もあります。
クセ字、例えば全体的に常に右肩上がりだったり(逆に右肩下がりだったり)、丸文字(マンガ字)だったり、と際立つ特徴がある方も、字で落とされる場合もあるでしょう。

3と4については、履歴書1枚程度も、失敗なく作成できない人は採用しない、ということです。特に最近は手紙のマナーの一般常識がない人が増えてきており、修正液や修正テープで修正したものを送ってきたり、砂消しゴムで修正して穴が開きかけていたり、はたまた封筒の表に「御中」などを付けることさえもしらない人が意外にも多くいます。→参考:[ 日本語教師の就職成功率を上げるちょっとした工夫・注意点 ]

また、履歴書1枚程度も失敗せずに書けない集中力もスキルも無い人は採用しない、ということを「手書きの履歴書の提出を求める採用機関」は求めているわけです。

 特に指定がない場合

求人応募の提出書類書式に、特に指定がない場合は、

A.履歴書も職務経歴書もすべてパソコンで作成する。
B.履歴書は手書き、職務経歴書はパソコンで作成する。

のA,Bのどちらでも有効な場合が多いです。

Aについては、日本語教師は完全に中途採用市場ですから、採用者も形式よりも「実」(経験・経歴や、学校が求める時間帯などに勤務できるか否かなどのほう)を重視する傾向がありますので、サクサクっとビジネスライクに、すべてパソコンで作って提出したほうがよい場合が多くなってきています。

「実」重視の学校は、およそ求人情報にて「まずは下記までEメール添付で履歴書と職務経歴書を送付してください。」と記載している場合が多く、求人の全体的な感じからも実務的なオーラがひしひしと出てきているものです。
また、緊急性がある求人(応募締切期間が短く設定してあるものなど)は、採用担当者も非常に急いでいますので、すべてパソコンで作って、採用担当者がすべてパソコン上で簡単に処理できるような書式で送ったほうがよいです。

海外については、海外では履歴書等はワープロうち(パソコンで作成)が一般的ですので、逆に手書きを提出すると、うとましがられることのほうが多いです。

Bの手書きとパソコンのハイブリッド型については、

・履歴書を手書き→文字の綺麗さと正確な書類作成能力があることをアピール
・職務経歴書をパソコンで作成→少なくとも基礎的なパソコンスキルがあることをアピール

といった2つの目的が達成できます。書類提出方法が「郵送で提出」と指定されているときは、2の手段も使えるでしょう。但し、Eメールでの提出しか求められていない場合は、手書きで書いたものをスキャナーで読み取って、PDFファイル化などにして送付する等の配慮が必要です。
稀にこの辺りのビジネスでの書類授受経験がない人などは、スキャナーで読み取った履歴書をJPEGなどの画像ファイルのまま(つまり非常に重い容量のファイルのまま)添付して送ろうとする人がいますが、開きずらかったり、ちょっとした手間がかかるので、受取り側に嫌われます。その前に容量の大きい画像を添付して送ると、Eメール自体が届かないことも起こりえますので、手書きをEメール添付する時はそのファイル形式に注意が必要です。

 求人応募の提出書類書式に指定がない場合で、すべて手書きで作成すると・・・

求人情報に特に応募書類の形式に特に指定がなく、字に自信があるからといって、履歴書も職務経歴書もすべて手書きで作ってしまうと、最近では「この人、パソコン能力がない人なのかな?」と判断し、マイナス評価を下す採用担当者もいます。(日本語教師はパソコン能力は基本的に必須です。)
ですので、すべて「手書き」の「賭け」に出る場合は、その勤務先の雰囲気などを重々察して確信を得てから行動を起こす必要があります。

 その他:手書きの履歴書のちょっとした工夫

1.自作のフレームでアピールしたいところを強調する

履歴書のフレーム(枠組み)のみをあえてパソコンで自作し、(枠内の文字は手書きし)見やすく、訴求力のあるオリジナルな履歴書を作成することで、さりげなくパソコンスキルもアピールする、という方法もあります。
ソフトはなんでもいいのですが、例えばエクセル(Excel)などで、市販の履歴書に近い形のA3ないしA4のフレームを自作するのですが、市販の規定の履歴書はどうしても志望動機などの項目スペースが小さい傾向があります。そこでアピールしたい項目、例えば経歴は希薄だが、とにかく熱意を伝えたい人なら、「志望動機」のスペースを大きめに作ってたくさん文章を書いて訴求力を持たせる、といった手もあります。

 2.証明写真

履歴書の写真これまた最近は一般常識がない人が増えてきており、携帯やスマホの写メ、もしくはデジカメで撮ったプライベート写真をプリントアウトしたものを切り取って履歴書に貼る人などが多くなってきていますが、それだけでアウトになる場合もあります。
一番よいのは、写真館(写真屋さん)などでプロにマニュアルで撮ってもらうものが、やはり見栄えがベストです。
もし時間がないのなら、せめて街角にあるスピード証明写真機(600円~とかのもの)を利用するようにしましょう。但し、証明写真機は映りがどうしても暗くなってしまったり、以前は、スピード証明写真のものは絶対に不可、といった時代もあったことも知っておいてほうがよいでしょう。

 ※けっこう外見重視な職業の日本語教師

日本語教師の求人募集情報を見ればわかりますが、ほとんどの募集要項が「履歴書(写真貼付)」と書かれています。写真貼付が求められていることからわかるように、日本語教師の業界は、けっこう、外見重視な世界でもあります。決して美男美女である必要はありませんが、教壇という人前に立つ仕事ですから、外見的にも説得力や信頼感、誠実性、清潔感などがあることが必要です。

中国で「美人すぎる日本語教師」の授業が満員御礼、クラス数増加、廊下まで立ち見が出るほど話題になったことからもわかるように、外見も教員として重要なアイテムの1つです。履歴書に貼る証明写真の段階から、手抜かりのないよう気を付けましょう。
また、就職活動をしているけれど、なかなか採用が決まらない人は、意外と貼ってある証明写真がネックになっている場合もありますので、今一度、写真を撮り直すなどして見直してみるとよいでしょう。

応募書類に関するQ&A

 職務経歴書は日本語教師に関する職務だけ?

Q. 現在、日本語教師の就活中です。履歴書と併せて職務経歴書の提出が必須だと思うんですが、職務経歴は日本語教師に関すること以外は書いたらダメなのでしょうか?

A. いいえ、職務経歴書は基本的には正社員経験のものはすべて記載するのが普通です。但し、稀に、就職先によっては「日本語教師としての職務のみ」と指定してくる場合がありますので、その場合は、日本語教育に関する職務だけを書くようにします。
また、基本的には正社員の職務のみ記載するのが通常ですが、アルバイト経験であっても、日本語を教えることに関することであれば、無いよりはあったほうがいいので、記載したほうがよいでしょう。
同じくボランティアでの日本を教える経験であっても、雇用先によっては評価してくれる場合がある(まったく何も無いよりはあったほうがよい)ので、控えめながらも書いておいたほうがよいでしょう。

 送付・提出の際の書式は?

Q. Eメール添付で応募書類を送信する場合の書式は決まっているのでしょうか?

A. はい。基本的にPDFファイルにしてから添付して送付するのが一般的です。PDFにしておけば、受取側のパソコン環境に関わらず履歴書等を閲覧しやすい/プリントアウトしやすい/文字化けしにくい、などのメリットがあります。

最近、スマホで履歴書などの写真を撮って、その画像をそのまま応募書類として送付した、という話を求人者からうかがったことがあります。履歴書等応募書類をスマホ画像で送付するのは不可、というか一般常識を欠いた人とみなされる可能性が高いので注意が必要です。
画像で送ってしまうと、受取側が、

  • 印刷しづらい
  • 画像データが重くて開けない/届かない
  • 細部がつぶれて見にくい

などマイナスな面が多々あります。応募書類は、

  • 手書きの書類はスキャンしてPDF化して送信する
    (スキャナーがない場合はコンビニのコピー機でスキャン→PDF化できます。)
  • WORD、EXCEL等で作った場合は、CutePDF Writerなどの無料ソフトでPDF化させて送る
    (WORD、EXCEL等で作ったものをそのまま送信すると、相手側のPC環境によっては、書式が壊れたり、一部文字化けして表示される場合があるため。)

という方法が推奨されます。

履歴書に関するまとめ

6~7割がた、パソコンで履歴書・職歴のすべてを作成して提出するのが一般的。

日本語教師の業界は、学校系ということもあり、一般企業に比べれば、確かに保守的で古臭いカラーの勤め先も多いのは事実ですが、しかし全体としては非常勤が7割を占めており、かつ中途採用市場で、欠員補充でバタバタしている中での就職活動ですので、2000年頃ならまだしも、これだけパソコンが世間に普及した今となっては、どちらかというと、手書きよりもパソコンで作成した書類を提出したほうが採用側にも好まれることが多くなってきています。(ペーパーレス化が進み、すべてパソコン上で仕事を完結させるビジネス形態が一般的になってきているため。)

書類の書式の体裁云々よりも、採用の現場では経験や人柄、勤務条件合致、面接・模擬授業が重視されることが多いのが日本語教師の業界です。模擬授業もうまくできるにこしたことはありませんが、ポイントは(完璧にできることではなく)失敗した時にどう立て直すかのほうを採用担当者は見ていますので、「完璧にこなそう」と考えるのではなく、「失敗は必ずするものだから、その時どうフォローできるか、どう上手く気持ちを切り替えていける点をアピールできるか」という柔軟性重視の気持ちで臨むことが重要です。