日本語教師の採用面接

日本語教師の就職活動で、採用面接時に面接官(採用担当者)からよく尋ねられる質問を、実際に尋ねられた事例から以下にまとめてあります。これから面接に臨まれる方のイメージトレーニングに役立てるなどご参考にしていただければ幸いです。

基礎編

まずは日本語教師に限らず、どの就職・転職でも尋ねられる基礎的な質問から。

 志望動機

  • なぜ日本語教師になろうと思ったのですか?
  • なぜうちの学校で働きたいのですか?
  • 数ある中で働く場所として●●(国・地域)を選んだ理由は?
    (例:「中国の大学で働きたい理由は」「なぜ遠くの当校で働きたいの?」など)
  • あなたがこの学校に貢献できることは何か?

志望動機は履歴書にも書きますが、履歴書や職務経歴書と矛盾しないような内容で、まずは100字程度内に簡潔に口頭でも答えられるようにしておきましょう。
上記の基礎的な質問に続き、以下のような変則的(意地悪・変化球的)な質問が来る場合もあります。

  • どうしてもここでなければならない理由は?
  • ここで落ちたら(不採用になったら)どうしますか?
  • 第1希望がA(場所・形態)ですが、Aじゃないとダメですか?(勤務先が複数ある場合)
  • 今、何校ぐらい応募されていますか?(同時進行している就活状況について)
  • 金銭的(経済的)には日本語教師なんてやるべきじゃない思うけど、どうしてなりたいの?

 学歴・職歴・資格について

  • 大学で何を学んだか?(専攻や出身学科の説明など)
  • 大学の専攻が日本語ではないがなぜ?(特に新卒者など20台前半の未経験者に対して)
  • 前の仕事はどんな仕事だったか?(前職の職務内容・過去の仕事について)
  • 今の仕事の内容は?(在勤の場合)
  • 「一身上の都合」とあるが、どうして会社を辞めたのか?(前職の退職理由など)
  • 求職者質疑応答前職で楽しかったこと(達成したこと)、辛かったことは何?
  • 職場の人間関係で大切にしていることは?
  • どこで日本語教育について学んだのか?
  • 日本語を教えた職務経験やアシスタント経験などはあるか?
  • 日本語教育能力検定試験を受けてどう思った?
  • 養成講座を受講した感想/実習でどんな文型を教えたか?(未経験者の場合)
  • 日本語教師養成講座の実習で上手くいった/失敗したなと思うものは?(未経験者の場合)
  • 英語力はあるか?(もしくはその国の言語力について)
  • うちの学校はA国人が多いがA国に行ったことはあるか?またその印象は?
  • B国に留学した理由やその時の体験など(留学経験者の場合)

 雇用条件について

  • いつから働けるか?
  • どのくらいの期間働こうと考えているか?
  • 残業や時間外勤務があるが大丈夫か(どの程度までOKか)?
  • 最初は試用期間があるがよいか?(試用期間後、不採用となる場合もあるがよいか?)
  • 正直、(給料は)いくらほしい?
  • 給料が安くて自活できないがよいのか?

期間については勤務先にもよりますが、できるだけ長期就労を望んでいる所が多いため、申告する「働きたい期間」は長ければ長いほど良いことが多いです。しかしながら、「将来は海外で働きたい」「ここでキャリアを積んでいつかは大学で教えたい」などキャリアプランをしっかり伝えることもプラスにとらえられて採用されることもあります。

給与については、「規定に準ずる」と求人ではボカしていたり、新設校などではこの段階では明確には決めていなかったり、アジア圏の学校ではいい加減だったりする場合があります。特に後者の場合は、応募者から明確に額を打診し、雇用契約書など書面で支給額を明記させるようにしたほうがよいでしょう。

上述の基礎的な質問をふまえて、以下のような突っ込んだ質問が来ることがあります。

 全般的な知識や真剣度を問う

  • うちの学校はどこの国籍の生徒が多いかご存知ですか?(勤務先の知識や真剣度を問う)
  • 日本語学校の問題点を挙げてください。
  • 国内日本語学校の現状について、あなたの所感を教えてください。
  • 日本語教師に将来性はあると思いますか?(今後どうなるか)

応募する勤務先について生徒数や設立年数、教育の特徴などをきちんと把握しているか、あなたの真剣度や知識を問う質問です。また、厳しい職場環境で生き残っていけるか、日本語教師を夢としてだけでなく、現実もとらえられているか、が問われています。

 パーソナル(個人的・プライベート)なこと

基礎的なことから、中にはそんなこと聞く?というような失礼な質問で反応を試されることもあります。

  • あなたは、ご自分ではどんな性格だと思いますか?
  • あなたの長所や短所を教えてください。
  • あなたの考える先生とは?(理想の教師像など)
  • 転職で自分を変えたいとのことだが、具体的にはどういう風になりたいのか?
  • あなたを採用しなければならない理由は?(他者より秀でてる点、アピールポイントなど)
  • あなたのA国(またはA国人)に対する印象を教えてください。
  • 将来はどうなりたいのか?40歳,50歳・・・10年単位のライフプランを聞かせてください。
  • 結婚などの予定は?なぜ独身なのか(なぜ結婚してないのか)?
  • 結婚しても続けるか/辞めるか?
  • 出産の予定はありますか?
  • 配偶者はこの就職に理解を示しているか?サポートはあるか?(既婚者へ)
  • どうしてA国で暮らしていたのか?(海外経験者へ)
  • A国語が堪能なようだが、日本人教師がA国語を話せることについてどう思うか?
  • (体力勝負の仕事ですが)持病はありますか?健康面で自信はありますか?(既往歴など)

日本語教師経験者の場合

経験者の場合、さらに細かくいろいろと尋ねられる傾向があります。

  • 国内日本語学校の現状について、あなたの所感を教えてください。
  • 日本語を教えていて難しいことは?
  • A国人学習者が日本語を学ぶ上で難しいところは?(A国人への教授経験者へ)
  • これまで教えた場所、相手、人数、国籍、回数、年数、使用教材・テキストなど。
  • 採用面接文型を調べる時、どんな本を使っていますか?
  • 直接法と間接法の利点と欠点を挙げてください。
  • (非常勤希望で採用され)常勤(専任)教員になれと頼まれたらどうするか?
  • 主任になることになったらどうしますか?
  • 分からない質問をされた時、どうやって答えますか?
  • 授業中、生徒がスマホをいじっていたらどうしますか?
  • 授業中、生徒が居眠りしていたらどうしますか?
  • 授業中、生徒が暴れたらどうしますか?
  • 受け持っている生徒が学校を辞めたいと相談してきたらどう対応しますか?
  • 教員が学生達と授業時間外で交流することをどう思いますか?

その他:模擬授業関連

模擬授業の流れで面接を行う場合、模擬授業に関する質疑応答(ダメ出し)が行われる場合も多いです。

  • この模擬授業の準備はどのくらいかかりましたか?
  • (ある文型を提示後)これを10歳未満の子供に教えるとしたらどうしますか?
  • もしXXXを導入する場合、どのような順でどうやって教えますか?(→提出順を説明後)「では、実際やってみてください。」

模擬授業簡単にできそうな模擬授業に関しては、突然、予告なく面接の中で出題される場合もあります。

模擬授業は(できるに越したことはありませんが)、ポイントは成否そのものよりも、失敗した時のリアクションやリカバリー度・・・から分かる本人の人間性などを見ている場合が多いので、失敗しても採用されるケースは多いようです。実際、人物重視の求人も多いです。詳しくは、日本語教師の就職面接でよくある模擬授業ネタをご参照ください。

面接は通常、採用担当官1~2名 対 応募者1名 という形が多いですが、模擬授業をやる際は、採用担当官に加え、その学校に在勤の日本語教師が生徒役として1名以上加わるパターンが多いです。

海外の学校では、面接官が日本人とA国人の計2名であったり、(日本人はおらず)A国人との1対1での面接になることもあります。
遠方や海外の学校ではSkypeなどオンラインのTV電話でおこなうケースも増えてきています。その場合は、服装だけでなく、ご自分の背景も余計なものが映っていないか注意を払っておかなければなりません。できれば白地の壁をバックにすることが望ましいです。

まとめ

ありのままで面接の際、無理に自分を良く見せようと「作りすぎて」しまう人がいらっしゃいますが、嘘をついて仮に採用されたとしても、採用後に苦しくなり、ご自分でご自分の首を絞めてしまうようなものです。

もちろん、服装はスーツ(セミカジュアル以上)にするなど、ある程度、教壇に立った時をイメージしたフォーマルな姿勢で臨むことは大切ですが、就職は採用先との相性の問題でもありますので、「ありのままの自分」を見せることが一番大切です。「ありのままの自分」を見てもらって、もし不採用だったとしても納得するでしょうし、「ありのままの自分」を見てもらうことを心掛ければ緊張もしなくなりますので、できる限り自然体で臨むことが面接成功の秘訣の1つです。

(C)Copyright JEGS International Co.,Ltd. All Rights Reserved.