有資格者になっても未経験だと厳しいか

Q. 日本語教師の就業見通しが不安です。日本語教師養成講座を修了し、今後、日本語教育能力検定試験も受けていくつもりですが、日本語教師の就職状況は厳しいと聞きます。有資格者になったとしても未経験なのですが、厳しいでしょうか。未経験者でも日本語教師になるにはどうやればよいでしょうか?


A. 結論から申し上げますと、「未経験者でも応募可」と表記している求人を探して応募していく・・・これに尽きます。

求人における未経験者の割合

一般的にはおよそ7割がたの日本語教師の求人が「経験者」を求めています。
逆にいえば、2-3割ほどは「未経験者でもOK」としている日本語教師の求人がある、ということです。

以下に「未経験者の応募可能としている求人情報」をまとめてありますのでご活用ください。
→詳細:未経験者応募可の求人情報

誰もがみんな最初は未経験者

そもそもなのですが、今、日本語教師として働いている人も、最初はみんな初心者・未経験者なのですから、未経験者だから日本語教師になれない、ということは絶対にありません。

実際、日本語教師の求人を見ていると、一定数、「未経験者可」としている求人が意外と多く見受けられますので、根気強く、粘り強く探すことです。

未経験者可の求人を見つけるコツ

コツは、まず、上述のように、求人の中で「未経験者可」とカテゴリー分けしてある求人を当たることです。

それでも見つからない場合は、とにかく多くの求人に当たること。まずは質より量です。

日本語教師の求人を当たる際、たった数十件を見ただけで、「未経験者可な求人がない」と決めつけて早々に諦めないことです。せめて、数百件の求人には当たってみてください。日本語教師の求人は、海外も含め、今はネット上で簡単に探せるようになっています。→[求人サイト集]。

これら求人サイトをルーティンを決めて毎日~少なくとも2,3日に1回は見回りする。そうすると求人にもパターンがあり、自分なりの落としどころや、効果的なアプローチの方法もわかるようになってきます。

未経験者可の求人は常勤と非常勤どちらが多いか

そもそもですが、基本的に、全体の日本語教師の業界自体の約7割が非常勤で占められています。
→参考:[日本語教師は常勤と非常勤どちらが多いか] ですので、必然的に未経験者応募可の求人も、7割がた、非常勤形態のものが多いですが、以下の求人例でもわかるように、常勤でも未経験者可、としている勤務先もあります。

但し、一般的に、未経験者の場合、初めは非常勤のほうがよいです。と言うのも、初めから常勤形態で1日4コマ、週5日も授業を担当してしまうと、未経験者はパンクしてしまうからです。
はじめは非常勤からはじめて、1,2年経って慣れてきてから徐々に担当コマ数を増やして、常勤へステップアップしていくのが理想的です。未経験者用の研修体制も整った学校も多いので、求人に応募する際、確認してみるとよいでしょう。

急募は採用されやすい

一言で求人と言っても、来年の募集であったり、随時募集であったり、いろいろあります。その中でも急募としている求人は、比較的採用されやすい傾向があります。

猫の手も借りたいくらいの忙しく、今すぐ人を採用したいからです。

勤務条件・待遇等が悪いから誰も応募しない、という可能性も無きにしも非ず、ですが、急募の求人で、自分の勤務条件として悪くないものは、すみやかに応募しましょう。

求職者が殺到する時期は避ける

日本語教育能力検定試験日(毎年10月下旬)後の数ヶ月(11月~2月頃)は、新参の求職者(求人応募者)が集中し、倍率が高くなり、弾かれてしまう確率も高くなります。そのため、上記の期間に前もって動き出す等、上記の期間を避けて、求職者が殺到しない(倍率の低い)時期に就職活動をするのも、就職成就の1つのコツです。

過去の求人情報も宝の山

また、閲覧した求人情報の応募期限が過ぎていたとしても、過去の期限切れの求人情報も参考になります。

日本語教師未経験者募集

翌年の同じ時期にはまたその勤務先で募集をかける可能性があるからです。募集期間が過ぎていても、気に入った勤務先を見つけたら、スクラップしておいて、時期を見て、(募集をしていなくても)「今、募集していませんか?」とこちらから積極的に働きかけるのも一手です。

「未経験者可」「未経験者歓迎」としている募集機関は、研修体制(受け入れ態勢)がそれなりに整っているところが多く、例年、定期的に同条件で求人を出す傾向があります。

未経験者OKの求人の具体例

これまでの日本語教師の求人で、未経験者でもOKな求人の具体例を、実際の求人情報からピックアップし下記しますので、ご参考にしていただければ幸甚です。

  1. 未経験であっても、基本的に、四大卒で有資格者(420時間講座修了、日本語教育能力検定合格、大学で日本語教育主/副専攻のいずれかに該当)であることが前提となっている求人が多いです。
  2. また、未経験者の場合、経験の無さをカバーする熱意ややる気が求められる場合が多いので、就職活動の際は、熱意を全面に出していくことが重要です。
  • 例1:東京・新宿の日本語学校:常勤及び非常勤募集
    1989年の創立以来、多くの日本語教師が未経験からこの学校で育ち、そのまま本校で質の高い授業を行っております。(未経験者の研修、勉強会は常時行っています。)長く勤めている講師が多く、研修、勉強会、その他情報交換も活発にできる環境にあります。コミュニケーション力、やる気のある方を歓迎いたします。非常勤の場合1コマ45分1800~2500円、非常勤講師から常勤への道もあり。
  • 例2:韓国・テグの語学学校:常勤講師
    韓国・テグにある学生、会社員、主婦の生徒を対象にしたアットホームな雰囲気の日本語専門学院。未経験の方でも明るく誠実で長期働ける方募集。四大卒で有資格者。月給月100万ウォン~、E-2ビザ取得。
  • 例3:中国・上海の語学学校:非常勤
    パートタイム(非常勤)形態で時給80-120元。未経験の方も大丈夫。中国語能力は問いません。熱意をもって日本語の指導に取り組むことにできる方。明るく協調性のある方なら大歓迎です。自信を持って授業が行えるまで研修・指導いたします。
  • 例4:ベトナム・ハノイの日本語学校:常勤
    ベトナム・ホーチミンで最も歴史ある日本語学校。着任後の研修にて、独自の教授法のレクチャーがあるので、未経験者の方もご安心ください。若年層の方にはキャリア形成の場として、実業経験者には経験能力発揮の場として活躍の場を用意しております。授業は、日本人・ベトナム人教師が同じクラスを運営し、学ぶ楽しさに取り組んでいます。四大卒で日本語教師有資格者かつ無犯罪証明書取得できる方が応募条件。給与は初任給480万ドン(手取り)、その他初期研修終了後に地域手当500万ドンプラス。さらに夜間手当、代講手当など有。契約満了時に往復航空券学校負担等の待遇あり。
  • 例5:インド・バンガロールの日本語学校:常勤(専任)
    インドのIT都市にて、企業向け、一般向けの直接法での日本語レッスンを展開。いろんなことを学びいろんなものを作り上げてみたいと思う研究熱心な方から、プロフェッショナルな日本語教師としての向上を図りたい方を募集。未経験者の方も、海外生活がはじめてという方でも日本人スタッフが多数在籍しておりますのでご安心下さい。給与は未経験者の方は3万ルピから(経験者は相談上優遇あり)、その他ビザ取得費用、渡航費用等は会社負担。年齢50歳以下で、日本語教師有資格者(または取得予定者)で、英語ができる方募集。

→最新の募集状況はこちら:未経験者応募可の求人情報

以上のように、未経験者でも応募できる求人は意外と多くありますので、最新の求人情報は上記「未経験者応募可の日本語教師・教職の求人」をご参照ください。

一般的に、就職・転職の際は、最低でも自分の年齢と同じ数の履歴書を送らなければならない、と言われています。例えば、30歳ならば30社(30校)、40歳ならば40社(40校)は最低でも履歴書を送り、面接等の就職活動をこなさなければ就職できない、ということです。わずか10~20社程度こなしたところで諦めてしまわないことが肝心です。とにかく広く多くの求人に当たって、「ご縁」を探すことです。

新人日本語教師のためのお助け便利帖

Q.教科書の練習問題をしているうちに学習者が飽きてしまいます。
Q.クラスでの発言の機会が偏ってしまいます。
Q.作文のテーマの決め方がわかりません。

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