質問
Q. 勤め先の日本語学校から生徒数減少により、最低3ヶ月~期間未定の待機を言われました。今後の先行きも不透明です。これまでも非常勤講師として他の学校も掛け持ちで働いてきたりもしたことはあるんですが、最近はどこも厳しくなってきており、なかなか条件が折り合う勤務先がありません。副業でもしてできる限り収入を安定させたいのですが、日本語教師にオススメの副業もしくは収入を安定させる方法はありますでしょうか?

回答
自分の「分身」を作って、その分身に働いてもらって稼ぐ方法をオススメします。

分身」とは「資産」のことです。「資産」とは文字通り「お金を産み出してくれるもの」です。例えばブログ(ホームページ)やSNSも立派な「資産」です。

副業収入の相関図

これを機に「どこかに雇われる」という発想を捨てて、副業として自分なりの「資産」(分身)を作って、その「資産」に稼いでもらう、という稼ぐ力を身に着けることにトライしてみるとよいでしょう。

その「資産」が永続的に稼いでくれるようになったら、それを本業にするのもよいでしょう。

雇用されるという形態を取っている限り、雇用主都合でリストラ等されるリスクから逃れることはできません。また直に教えるという「肉体労働」はとても不安定でリスクが高いです。
例えば、自分が体を壊せば働けなくなり収入を失いますし、外的要因(新型コロナウィルス感染症や地震などの自然災害)などにも大きく左右されます。

自分の身体1つ分しか稼げないので、待遇を改善するには単価を上げるしかありませんが、語学講師なので給料は頭打ちでたかが知れています。

そのため、「どこかに雇用される」「肉体労働」という形態とはまったく種類が異なる収入源を確保しておけば、収入の安定、ひいては人生の安定にもつながっていきます。

生活の安定

海外および外国人依存で不安定な職業の日本語教師ですが、日本語教師に限らず、近年は一般の会社でも終身雇用や年功序列は崩壊し、いつ何時、何が起きるかもわからない状態になってきています。

そのため、いかに「個人で稼ぐ力」を持っているか、が重要になってきます。

日本語教師が比較的すぐに手をつけられそうな副業に、

  1. オンライン日本語教師
  2. インターネット

が考えられますが、当ページでは一番現実的な2.インターネット で稼ぐ方法を中心に副業のアイデアをご紹介します。

まずは「月5万円から」を目標に、副業で稼ぎ、生活を少しでも安定させる方法をまとめてみました。5万円でも不労所得が毎月入り続ければ、かなり気持ちも違ってくるかと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

ポイントは、「副業だから」と思って手を抜かないこと。自分の代わりに働いて稼ぎだしてくれる「もう一人の自分(自分の分身)」を作り出すつもりで、本腰を入れて取り組むことが大切です。

1.オンライン日本語教師

日本語教師で副業と聞いてまず考えるのが、仕事の掛け持ち。他の日本語学校を「掛け持ちする」というありふれた方法の次に思い浮かべるのがオンライン日本語教師でしょう。

オンライン教師は、

  1. どこかに雇われる形態
  2. 個人で教える形態

の2種類がありますが、
これについては、こちら→[在宅オンラインで日本語を教える日本語教師になるには]にて実際の求人情報も併せて説明してありますのでご参照ください。

副業で日本語を教えることを目指して、通信教育の日本語教師養成講座で間接法やオンラインでの教え方を学ぶ受講生もたくさんいます。

但し、みなさん考えることは同じで、「良い条件」のオンライン日本語教師の求人が出ても、掲載開始後すぐに採用が決まり、応募受付終了となってしまうことが多いです。

特に新型コロナウィルスの時(コロナ禍)は、職を失った人々がオンライン日本語教師の求人の応募に殺到し、即パンク状態、求人掲載の翌日には早々に応募受付終了という事態が相次ぎました。

つまり「どこかで雇用されてオンライン日本語教師をやる」というのは競争率がけっこう高いので、もしオンラインで行くのなら、前述2の「個人でやっていく」という線も模索したほうがよいでしょう。

「個人でやっていく」には、次に述べるインターネット媒体による集客が必要になります。

2.インターネット

一番現実的でオススメは方法は、インターネット上に自分の分身(資産)を作って、その分身に稼いでもらう、という方法です。

インターネットとは、ブログ(ホームページ)、SNS(Twitter,インスタグラム,YouTubeなど)を指し、以下のようなメリットがあります。

メリット

  • 無料でできるのでハードルが低く始めやすい
  • 無料なので失敗してもリスクはほとんどなく、いろいろなことにチャレンジできる
  • 24時間365日、自分の代わりに働き続けてくれる(自分が病気や怪我をしても稼ぎ続けてくれる)
  • 世界中から集客できる
  • 新型コロナウィルスなどの直接的な影響は受けにくい
  • 自分の好きなように働ける

日本語教師は言葉が商売のお仕事ですから、言葉で稼がない手はありません。

ブログ(ホームページ)で稼ぐ

無料で始められるブログで記事を書いて、アフィリエイト(成功報酬型広告)を貼って報酬を得る、というのがまずは王道として挙げられます。

例えば、以下はあるアフィリエイトサービス提供会社(ASP/アフィリエイト・サービス・プロバイダ)の、日本語教師に関する成功報酬なのですが、

アフィリエイト報酬例

この広告主の日本語教師養成講座の無料説明会に、自分のブログ経由で誘導(ブログに貼ったリンク経由で講座の説明会に予約・参加)できれば、1件あたり16000円ほどがもらえます。1ヶ月に10人紹介すれば、16万円ほど得ることができるということになります(但し、報酬額は広告主都合で変動することがあります)。

ここで、いかに高い広告費が文化庁届け出受理の養成講座の受講料に含まれていることに気づく人は気づくでしょう。授業料というより、広告にお金を払っていると言っても過言ではないかもしれません。副業をやることで、こうした資格商法の仕組みも見えてきます。

オススメのブログサービス

  • 無料・・・blogger,ライブドア,はてなブログなど
  • 有料・・・WORDPRESS(月数百円~千円程度の有料サーバーを借りて無料のWORDPRESSをインストールして運営する)

オススメのアフィリエイトサービス(ASP)

  • バリューコマース、アクセストレード他、楽天、アマゾンなど

アフィリエイト以外にも、Google Adsenseなどと組み合わせて運営していけば、さらに効果的に広告収入を得ることができます。

他のSNSと違ってブログの利点は、大量に文字や文章を書ける、比較的検索に強い、という点です。何かを詳しく説明したい、という用途に適しており、言語のプロ、話すことが大好きな日本語教師に適しているツールと言えます。

しっかりしたブログを一度作っておけば、自分の分身として半永久的に働き稼ぎ続けてくれる資産となりますし、自分の名刺代わりにもなりますので、副業の土台としてまずブログ(ホームページ)を作っておくことをお勧めします。

ブログでそこそこ収入が出始める目安

  • 100記事/3ヶ月~・・・それなりに記事の質およびオリジナリティが高い場合
  • 300記事/10ヶ月~・・・記事の質があまり高くない場合

ブログはとりあえず100記事~300記事書いたぐらいから、収入がチャリンチャリンと入ってくるようになります。1記事につき少なくとも1000文字以上は書き、なるべく1ページは1テーマに絞ることをお勧めします。1日1ページ書いていけば、3ヶ月(100記事)から10ヶ月(300記事)くらいから、何かしらの反応(手ごたえ)を感じてくると思われますので、あとはこれまた無料のGoogle Analyticsなどでアクセス状況などを分析しながら、ブログの質を高めていくと、さらにリターンを大きくすることができます。

複数運営することのメリット

慣れてくると、テーマ別に複数のブログを運営してみるのもよいでしょう。例えば、1つは日本語教師(日本語教育)関連、その他は趣味系で旅行、料理、子育て、読書、映画・・・などでそれぞれ1ブログずつ作る。それぞれ記事がたまってくれば、例え1つのブログの稼ぎが月5000円くらいだったとしても、10個のブログを運営していれば、月5000円×10=5万円の副収入、という計算が成り立つイメージです。

いろいろなトピックのブログを運営することで、マーケティングもできてきます。思わぬネタでアクセスが集中し、「こういう記事ネタを世間は求めているのか!」とか、「週末・連休はレジャー・遊ぶ系の記事の需要が高まり、平日はビジネス・資格系の記事へのアクセスが増える」といった市場が見えてきますので、それに合わせて動けば、楽な稼ぎ方ができるようになります。

1つのブログ=1社員 とみなして働かせる

1つのブログを1社員を雇っていると考える、もしくはそれぞれ自分の中にある1面の分身、と考えて、植木に水をやって育てていくようなイメージで育てていけばおもしろく、長続きします。

自分株式会社の仕組み

自分は「自分株式会社」の社長で、ネットの各ツールが社員。但し、人間の社員と違って、社会保険料や雇用保険料はかからず、ほぼ無料で24時間365日、働き続けてくれます。

ブログに書く内容は

ブログに何を書けばよいかというと、なんでもよいのですが、(有名人でもない限り)日記的なものはあまり読者の興味は引きません。何か自分ならではの専門性がある記事を、1ページにつき1テーマとしぼって、他人の役に立つ(読者の悩みや疑問が解決する)ような内容で、「起」→「結」がハッキリした客観性ある形態が理想です。

日本語教師ならではの海外の経験などはオリジナルがありますし、もしネタがなければ、日本語教育や日本語教育能力検定試験に合格するための書籍などが大量にあるので、それらに関するレビューを1ページにつき1冊ずつ書いて、それにアマゾンのアフィリエイトを貼る(書籍販売で紹介料を得る)という方法など、ネタは尽きません。読み終わった本はメルカリなどで売れば、無駄を少なくすることもできます。

かんたんメルカリプラス月5万円で暮らしを楽にする超かんたんメルカリ

1日30分の作業でOKなのですきま時間で出品でき、不用品をお金に変えることができます。
メルカリに関する本でもレビューが多い本著。メルカリに出品する際の、差がつく写真と文章、値下げ交渉のコツや売れる時間帯など、年収60万円アップさせるためのコツがまとめられています。
日本語教師関連の本を読んで書評を書いてアフィリエイトで稼いで、読んだ本はメルカリへ・・・という流れです。

ブログはオワコン?

2019年頃から「ブログはオワコン(終わったコンテンツ)、稼ぐなら、これからはYouTube(動画)の時代。」とささやかれるようになりましたが、まだまだブログでも稼げます。
確かにブログで月数百万円稼ぐ、というのは難しくなってきましたが、月数万~数十万の収入を得るのはまだまだ健在です。
というのもYouTubeなど動画では、調べたいもの、知りたい箇所をピンポイントで探しだすのが難しく、その点、まだブログなどテキストベースのほうが調べものには適しているからです。

どんなにTVや電話が普及しても、この世から文字が消えることがないように、ブログの有効性は今後も続きます。

ブログの書き方ややり方がわからない人は、「ブログ 書き方」などのキーワードで検索すれば、YouTubeなどの動画で、無料で簡単に勉強できます。何かお金を払って講座などに通う必要はありません。

SNSと連動させる

次のステップとして、ブログ(ホームページ)をSNSと連動させると、さらに相乗効果が生み出せます。ブログを作っただけでは(内容がすごければよいのですが)普通レベルの内容ですと、なかなかアクセスが集まりません。そのため、SNS(Twitter,インスタグラム,LINEなど)にそれぞれアカウントを作って拡散させ、そこからブログと相互にリンクを張り合わせて、動線を持ってくる必要があります。

SNSに書く内容は、ブログの更新情報でもいいですし、その他、何でもないようなつぶやきでもよいでしょう。こちらも(短文でよいので)毎日更新したほうがよいです。

YouTubeをうまく活用する

YouTubeも上述のSNSの1つではありますが、こちらは専ら動画専用になります。スマホ4Gの普及以降、特に2019年は「YouTube元年」といわれたように、YouTuberに億万長者が続々誕生、芸能人参入も相次ぎ、2020年に5Gが始まることもあって「YouTubeバブル」といわれるような状況になりました。

ただ今後は、競争激化、広告単価の下落などで、YouTubeでの広告収入で荒稼ぎするというのは難しくなっていくと思われます。日本語教師系だとなおさら難しいでしょう。日本語教師はニッチで市場が狭い分野だからです。

ですので、日本語教師の場合は「YouTubeの広告収入で稼ぐ」というやり方ではなくて、あくまでYouTubeはSNSの一環として、ブログへの集客の一手段として使うのが現実的です。例えば「自分がオンラインで教える場合はこんな授業をするんですよ。」という自分自身の宣伝のために動画を拡散させるという使い方が賢明です。特にオンラインで日本語教師をやっていく場合に、生徒集客にYouTubeで動画を持っていると効果的です。
YouTubeからブログへリンクを貼って、そこから申込フォームなどで申し込ませる、という導線を作ることができます。

最終的には自分の教材を販売する

オリジナル商材

上記のインターネットでの手法は、それだけでもそれぞれ稼げますが、実はあくまで自分を宣伝するための伏線にすぎません。アフィリエイトなどは結局、他人の商品の販売や広告をしているだけですので、他力本願の要素は否めません。

そのため、より収入を安定化させるためには、最終的には「自分独自の商品の開発と販売」までたどりつくことが理想です。例えば「自分のオリジナルな日本語教育教材を作って、ネット経由で販売する」といったものです。

教材とは何でもよいのですが、自分の得意分野をいかして、例えば、

  • 自分なりのメソッドやオンラインでの教え方をマニュアル化して講座化して販売する
  • 初心者または中堅やベテラン日本語教師に絞ったスキルアップ商材や講座
  • ベトナムや中国などそれぞれの国籍、各国言語(間接法)に特化した教え方をマニュアル化して、それをテキストや講座化して販売する
  • 介護や医療分野にしぼった日本語の教え方をマニュアル化して販売する

などご自分の経験ベースに「外国人学習者用」や「日本語教師用」「日本語教育に関心がある一般者向け」など全方向にいろいろなオリジナル教材が無尽に作れます。
オリジナル教材を作ったら、上記のすでにネットで構成したブログやSNSと連動させて、有料デジタル・コンテンツとして販売したり、オンラインサロンなどを開いていけばよいのです。

実際、自分が日本語教師として培ったノウハウを「オンラインでの教え方講座」的なものにまとめ、定期的にセミナーなどを開いて収益化している日本語教師もいます。(ただ、この方法だと自分の肉体がセミナーを開ける時しか収入が得られないので、やはり教材化して自動で24時間365時間収益を喘がれるシステムを構築したほうが、よりリスク分散と収入安定化につながります。)

インターネットは無限の可能性がありますので、「どこかに雇ってもらう」(肉体労働者であり続ける)という固定観念は一度捨てて、精神労働者になることを目指し、自分の足元に転がっている資源(スマホやパソコン、自分の中で眠ってる知識や経験)をいかして自分の分身を作って働いてもらうことをシステム化すれば、より生活を安定させることができます。

日本語教師がよくやるネットの失敗

ネットでの発信は無料で気軽にでき、ハードルが低いのがメリットですが、同時にそれはデメリットにもなりえます。

日本語教師(元日本語教師を語る者その他日本語教育に関心がある者も含む)によるブログやSNSでの発信はたくさん見かけますが、残念ながら失敗してしまっている人も少なからずみかけます。

特徴としては、日々の日記だけに終始し稼ぐことに本腰が入っていない人が多いこと。それだけならよいのですが、愚痴、悪口、不平の吐き出しの道具に化してしまっている人が散見します。どうも日々の生活に不満が多いのか、「日本語教師病」ともいえる日本語教師の負の側面、例えば、

  • 上からの高圧的な物言いが身に染み込んでしまっているのか、一方的な物言い
  • 知ったかぶりをする、自分の間違いは認めない、棚に上げる
  • 独りよがりな理論や考えを押し付ける
  • 文法の間違い指摘だけでなく、他人のあらゆる粗探しを周囲すべてに発動
  • よほど日常生活にストレスがたまっているのか、ひたすら愚痴や不満、文句、不平の吐露

に終始してしまっている醜いコンテンツを見かけることがあります。教壇に立ち、生徒の面前で自分のメンツを保とうとしてそうした習性を身に着けてしまうのも一因のようですが、ご本人は自分の醜さに気づいていないようです。

誹謗中傷で注目を集めても、集客できるのは一時的です。そしてネガティブな内容には、「類は友を呼ぶ」でネガティブな人しか集まらず、生産性もなく価値が低いので、結局、ネットの評価(検索順位)も時間とともに落ちていきます。

単にそれだけで止まっていればよいのですが、中には明らかに名誉棄損や偽計業務妨害など違法行為の領域に達しているものも見受けられます。例えtwitterなど短文を気軽に書き込んだだけでも、名誉棄損で訴えられれば、その対応だけでも膨大な時間と労力、そして数十万円は吹っ飛んでしまいます。一瞬で資産が負債に変わってしまいます。

ポイントは、「面と向かって当人に言えないようなことは書かないこと」です。そうすれば、自分の投稿がエスカレートしていくことを防止できます。感情的で良いことは1つもなく、自分にのめりこんでしまわないよう、第三者目線で客観性を保つことが大切です。

まとめ「ピンチはチャンス」

その他、稼いだお金を投資にまわす資産運用にて「お金はお金に稼いでもらう」方法も一般的ですが、それについては一般的過ぎますし、外的要因を受けやすいので、当ページでは割愛させていただきます。

新型コロナウィルスの影響などで職を失った人もたくさんいるかと思われますが、「ピンチはチャンス」です。

情報や知識を右から左へ移動させるだけなのに、わざわざ学校や会社に行かなければならない、という古く非効率的なシステムは、遅かれ早かれ淘汰される運命にあります。

いずれにしても将来的には学校や会社に行くのは週に1~3日程度でよいか、まったく不要になる世の中が、シンギュラリティで10年~20年後にはやってきますので、今のうちに適用できるよう準備しておくに越したことはありません。

家で自粛や待機を強いられても、自宅でてきること、自宅で稼げることはたくさんあります。ぜひこの機会に、雇用されるだけの「単純肉体労働者」を抜け出して、未来への種まきと「新しい自分」に挑戦してみてはいかがでしょうか。