ニュージーランドで日本語教師になるための方法を、NZの日本語教育の実状と、「どこで」働くのか、大きく3つに分けて、その資格や求人採用情報などとともに下記してあります。

目次

 ニュージーランドの日本語教育の実状

ニュージーランドの日本語学習者は年々、徐々に減少の一途をたどっています。2012年2月、NZのJohn Key首相は中国との自由貿易締結と、今後の中国貿易の重点化のため、「今後は中国語教育に力を入れる」と「strategy to open doors to China」にて発表し、これまで第1または第2外国語として日本語を選択できるようにしていたNZ国内の学校も、Mandarin(マンダリン:中国語)やスペイン語に切り変える学校が増加し、職を失ったり、他の科目の教師へ転職(異動)した日本語教師も増えています。→参考:日本語学習者数ランキング[ 今後、日本語教師の需要と将来性がある国 ]

ニュージーランド日本語学習者実状

「NZの日本語学習者は約4万人程で、世界でもランキング10位内にランクインし、日本語教育機関数も世界第○位で、日本語教育環境が整った国」とは昔よく使われていたフレーズですが、ただこの実態は、単純にNZの、特にセカンダリー(中学・高校)などの中等教育機関で、第一または第二外国語として日本語が選択できるようになっており、「何となく漠然と日本語を選択している生徒」が多かったことによるあくまで「述べ数」であるのが実態です。

その「何となく日本語クラスを選択した生徒」も、学年が上がるごとに日本語の勉強をやめていきます。一例として、NZ最大の都市で長年、日本語教育を熱心におこなっていることで有名なカレッジ(中学・高校)では、日本語クラスの履修生徒数は、

約 Year9=50人 → Year10=30人 → Year11=20人 → Year12=16人 → Year13=5人

と学年が上がるごとに学習者は少なくなっていき、つまり「継続学習者がいない」という実状は、どの学校でも共通に見られる特徴です。

「途中辞退者」が多い理由は、低学年で何となく選択したものの、フランス語などと比べやはり日本語は難しく、NZでの大学進学の選考基準となっているNCEA(National Certificate of Educational Achievement:国家資格試験)にて、日本語では高得点が取れないことと、時代的に中国語などを学んだほうが将来につながるなどの背景があるためです。

そのため、ニュージーランドでの日本語教育の実態は、年齢経過とともにNZ人の学習者は少なくなっていき(つまり継続的学習者はおらす、単に一時的な登録者が多いだけ、ということ)、実際は日本語教員が勤務できるような日本語学校などはほとんどないのが実情です。加えて、これまで学習者数に貢献していた中学・高校でも上述の通り、日本語クラスを廃止していってますので、今後はますますニュージーランドやオーストラリアなどでは日本語教師をとりまく環境は厳しくなっていきます。

 ニュージーランドで日本語教師になるには?

以上のような背景から、ニュージーランドにおける日本語教育および教員を取り巻く環境は非常に厳しいものであることをまず念頭に置いた上で、ニュージーランド国内でも、まず「どこで働くか」によって求められる資格や条件は異なってきます。
いずれにしても、オーストラリアについで英語圏で日本語教育が盛んなNZでも上記のような実状ですので、「ニュージーランドで日本語教師になること」そして「教師として生計をたてていくこと」はとても難しいものがあります。

ニュージーランドで働くここではニュージーランドの「どこで働くか」に基づいて、以下、

(A)NZの公立・私立の小中高校でなるには?
(B)NZの大学などの高等教育機関でなるには?
(C)NZの民間の語学学校などでなるには?

の3つのパターンに分けて、ニュージーランドで日本語教師になるための資格・採用情報などを過去の実際の求人例などをふまえてご紹介します。

(A)NZの公立・私立の小中高校でなるには?

 ニュージーランドでの日本語教師の資格・採用方法

ニュージーランドで有給の教師になるためには、基本的にティーチャーズ・カレッジ(以下の一例参照)と呼ばれる教育大学を出てから、日本語教員を求人募集している学校に個人的に応募し、書類選考、学校関係者との面接などを通して採用にこぎつけるという方法が一般的で、県レベルで採用される日本での方法とはずいぶん異なる部分です。

最も一般的なのは、隔週で発行されている教育機関紙に掲載される日本語教師の求人・募集記事をもとに直接学校に応募をするという方法です。

例年10月あたりに翌年の採用募集広告が多く記載されています。

ニュージーランドのティーチャーズ・カレッジの一例
  • University of Auckland(Auckland College of Educationと2004年合併);
    NZ北島オークランド
  • University of OTAGSo College of Education(Dunedin College of Educationと合併);
    NZ南島ダニディン, オタゴ
  • Victoria University of Wellington Faculty of Education; NZ北島ウェリントン
日本人の日本語教師の採用に関して
日本人=ネイティブ・スピーカーという理由だけではニュージーランド人に比べてより採用されやすいということにはなりません。
むしろ、言葉(英語)の問題やニュージーランドでの初等・中等教育を受けていないことを理由に、どちらかと言えばニュージーランド人より不利な立場になる傾向があります。特にこのレベルの学校では、クラス・コントロールやクラス担任など責任のある仕事も多く任せられるため、こちらの環境の中で教育を受けた地元の応募者がどうしても有利になるようです。

また、日本よりも少ない人口で、高い失業率の中、自国(ニュージーランド)国籍の者に優先して職を提供するのはニュージーランドに限らず、当然の措置といえます。

このような状況の中で、ニュージーランド人をまず優先的に採用し、不足する分を日本人その他の国籍の日本語教師や、ボランティアのアシスタント教師で補おうと考える学校が大半を占めているという事実もあります。

ニュージーランドの学校は財政難に苦しむところも少なくなく、日本語教師アシスタントというボランティアの存在がなければ、日本語教育自体、廃止されてしまう可能性も否めず、日本語教師アシスタントはニュージーランドでの日本語教育、日本文化伝授の存続を支えている貴重な存在といえます。

いずれにしても日本語教師アシスタントとしてなどで活動されることで、現地ならではの採用情報の実状や人脈、現地で一番重んじられる「経験」を得られることは間違いないでしょう。

(B)NZの大学などの高等教育機関でなるには?

特に規定はありませんがニュージーランドでは、教授(Lecturer等)として日本語教員の職を得るには、一般的には上記ティーチャーズ・カレッジの課程に加えて、「修士号」および「博士号」が必要になってくることが多いです。
ご参考までに、過去のニュージーランドの大学での募集要項をご紹介します。

NZウェリントン近郊の大学での募集例

【募集職種】:専任日本語教師
【募集条件】:
4年制大学卒 ※修士号またはそれ以上の学位のある方優遇
日本語教育経験者,欧米系に対する教授経験のある方
日本語教育能力検定試験合格者
【待遇/給与等】: 就労ビザ取得。給与は経験などにより面接後に決定。
【ロケーション】:NZ北島パーマストンノース(近郊主要都市ウェリントン)

※上記はあくまでご参考までの過去の募集例で、就職を斡旋するものではありません。

(C)NZの民間の語学学校などでなるには?

特に規定はありませんが、英語力と以下のいずれかの資格を日本語を教えることができる証明として、求めている場合が多いようです。

A.日本語教授法420時間コースの修了者
B.日本語教育能力検定試験合格者
C.日本またはニュージーランドの大学にて日本語教育専攻または副専攻
※就労できる適正なビザを持っている方

そのため、以下のような日本語教師養成講座をNZで受講して、日本語を教えるスキルの証明として活用される方などもいらっしゃいます。

尚、ニュージーランドでの民間機関(日本語学校等)での募集があったとしても、そのほとんどが非常勤(アルバイト/パートタイム)です。アルバイトで働くことを目的としてのビザ取得はかなり難しいため、必然的に適正なビザ(NZの永住ビザ、ワークビザ、ワーキングホリデービザ等)をすでに持っている方に限定されることがほとんどです。

ご参考までに過去のニュージーランドの民間機関(日本語学校等)の有給(パートタイム/アルバイト)の募集例の一部と、日本語学習機関をご紹介します。

ニュージーランドの日本語教育機関の過去の求人募集例

オークランドの日本語勉強会 (2005年の例)
【所在地】North Shore City, Auckland, NZ
【形態】パートタイム
【ビザサポート】不可、働けるビザ(永住権、ワークビザ等)をお持ちの方。
【対象】金曜日16:00-17:00、17:00-18:00の2クラス、5歳~子供たち
【採用条件】日本の小学校教員免許または日本での小学校勤務経験のある方、日本語教師の経験のある方。かつ長期勤務可能な方優遇。

オークランドの日本語補習学校
【所在地】  Auckland NZ
【給与/待遇】規定による 【形態】非常勤講師パートタイム
【ビザサポート】不可、働けるビザ(永住権、ワークビザ等)をお持ちの方。
【担当】月、木、金の午後
【採用条件】教師経験者で子供好きな意欲のある方

その他ニュージーランドの日本語教育機関
  • ウェリントン・チャートウェル補習授業校:
    【所在地】Chartwell Drv, Chartwell, Wellington NZ チャートウェルスクール(小学校)内
  • クライストチャーチ・カンタベリー日本語補習校(補習授業学校)
    Canterbury Japanese Supplementary School:
    【所在地】66 ILam Rd., Christchurch,New Zealand
※上記はあくまでご参考までの過去の募集例等であり、就職を斡旋するものではありません。

 その他 NZ関連Q&A

 NZと日本の日本語教師で異なる点は?

Q. ニュージーランドと日本とでの日本語教師の活動で一番、異なる点は何でしょうか。

A. やはり1にも2にも英語ではないでしょうか。日本だとアジアを中心とした多国籍の生徒が集う教室で唯一の共通語である日本語で教えるケース(直説法)が多いのに対し、NZでは、ほぼ100%英語に囲まれた環境の中で、英語で日本語を教えることになります。ニュージーランドに限らず、英語圏では基本的に英語で教える間接法でレッスンは行われます。日本にいる日本語教師は「ホーム」ですが、ニュージーランドでは完全に「アウェイ」になりますので、海外では異文化克服を含めた柔軟な環境適応能力が求められます。

 ニュージーランドで日本語教師の経験をしたい

Q. ニュージーランドで日本語教師になるのは難しいそうなのですが、何とかニュージーランドで経験を積む方法はないでしょうか。給料の有無は問いません。

A. ニュージーランドの学校はどこも予算不足で、マイナーな言語である日本語などの第二外国語のためだけに正規の日本語教員を雇う余裕がない学校がほとんどで、上記のNZの首相の教育方針などにもあるように、NZでリストラされる日本語教師も増えてきています。
しかしながら、無給のボランティアであれば、学校も受けれてくれるところがまだあります。こちらの日本語教師海外派遣のニュージーランドの日本語教師アシスタント・ボランティアでは、ニュージーランドのプライマリー(小学校)やセカンダリー・スクール(中学・高校)にて経験を積むことができます。このボランティアのみなさんの活動の様子は、こちらのニュージーランドの学校生活などでも確認できます。
上述の通り、ニュージーランドでは完全に「アウェイ」にはなりますが、その分、あなた自身の「日本の生きた教材」としての希少価値も上がりますし、(日本の忍耐教育と違って)良く言えば「長所を伸ばす」、悪く言えば「自由奔放な」海外の学校教育の生の現場を見ることは、生徒のバックボーンを知ることにもなりますので、日本帰国後の日本語教師としての成長とキャリアアップもさることながら、今後の授業運営ノウハウにも役立つことでしょう。

 NZで日本語教師の勉強をしたい/英語で教える間接法を学びたい

Q1. 現在ニュージーランドに住んでいます。子育ても一段落し、日本語教師を目指して勉強したいのですが、ニュージーランドで日本語を教える術を勉強できる講座や学校はないでしょうか?

Q2. ニュージーランドでは英語で教えることが多いとのことですが、その間接法を日本で習得できる方法はないでしょうか。日本の日本語教師養成講座はどこも直接法しかやっていないようなんですが。

A. こちらの通信の日本語教師養成講座は、欧米圏でのノウハウを集積させた間接法も学ぶことができます。日本でもニュージーランドでも受講可能です。
この講座では、教えるノウハウから、文化庁の「日本語教員養成において必要とされる教育内容」のシラバスに基づいた学習内容にて、日本語教師としての全般的な知識も習得します。

これまで、以下のような受講動機が、皆さんから当講座に寄せられています。

現在、ワーキングホリデーのビザでNZのテ・アナウで働いています。ワーホリ後の仕事探しに420時間の資格を活かせたらと考えております。また、海外で収入を得る事を考えているため、必要な知識だと考えております。(23歳男性)

ニュージーランドの高校で教員をしております。勉強との両立が少し不安ですが、仕事をされながらこのコースをされている方もおられるようなので、頑張りたいと思います。(Wanganuiご在住の24歳女性)

現在ワーキングホリデー中でスキルアップと国際交流がしたいため。(ウェリントンご在住の27歳女性)

今までは、日本語の教師の資格なしに、韓国の高校で日本語を教えたり、家庭教師をしたり、会社員や弁護士に日本語を教えていましたが、約2,3年後にニュージーランドに行こうと思っています。ですから、きちんと資格をとって、ニュージーランドでも日本語教師ができたらと思っています。(韓国ご在住の30歳女性)

現在NZで日本語教師のアシスタントをしています。もう少し知識を身につけたいと通信講座を探したところ、ジェグスさんの通信添削講座を知りました。普段はフルタイムで高校でアシスタントをしているため通信を希望しています。(Christchurchご在住の38歳女性)

→この日本語教師養成講座の|お問合せ・資料請求仮申込(見積依頼)
(C)Copyright JEGS International Co.,Ltd. All Rights Reserved.