Q. 新卒だと海外で日本語教師として働けない、と聞いたのですが、本当でしょうか?

A. まず海外と一言で言っても、世界には200ヶ国ほどの国が存在し、国・地域によって需要や条件も様々ですので「一括りには言えない」とお断わりした上で申し上げますと、新卒(社会経験なし)だとビザを取得できない国があるというのは事実です。

 ビザ発給条件で必要な社会経験

現在、海外において、日本語教師の求人が多い国は、専ら中国かベトナムになるかと存じますが、例えば実際の中国の求人を見ればわかりやすいですが、【応募資格・採用条件】の項目に、(四大卒以上、日本語教師有資格者等であることに加えて)

  • 2年以上、日本での就業経験のある方(就労ビザ取得の関係上)・・・日本語学校勤務の例
  • 日本で2年以上の教育或いはその関連仕事の経験がある方 ・・・吉林省の大学の例
  • 日本語教育経験が2年以上ある方優先・・・中国各地の公立大学派遣の例
  • 日本語教育に関する業務二年以上従事した方・・・江蘇省の外国語学校の例
  • 日本語教育の経験が2年以上ある方・・・天津の大学の例
  • 日本語教育に関する業務二年以上従事した方・・・大連の私立大学の例

といった条件が多くの求人に課せられていることに気付きます。

 ビザのハードル

ビザのハードルつまり、中国で就労ビザを取得するには、「2年以上、日本での就業経験」(できればそれが「日本語教育業務であることが望ましい」)が必要だということで、2年間の社会経験がないと中国では日本語教師の就労ビザが取得できない・・・つまり新卒は不可、ということが求人情報からわかります。

せっかく大学在学中に日本語教育を専攻したり、420時間の養成講座に通ったり、日本語教育能力検定試験に合格し、その他の採用条件もクリアしていても、就労ビザが下りないことには何もできません。

 他の国はどうか?

他の国・・・といっても、日本語教師の需要はアジア、特に東南アジアぐらいにしかありませんので(欧米圏では日本語の需要は低く、かつ日本語教師でビザを取るのはかなり困難です)、他のアジアの国はどうかというと、有資格者等に加え、社会経験が必須な国は今のところはあまりない模様です。

しかし、中国も一昔前、2010年ぐらいまでは、比較的ビザ発給条件は緩かったのですが、ここ数年でビザ取得にいろいろな条件が課せられるようになってきたように、他の国も、その国が発展する(その国の体制が整う)に伴い、ビザ発給条件は中国のように徐々に厳しくなっていくことは予想されます。

だいたい先進国になるほどビザ発給条件は厳しくなっていき(=外国人労働者の流入を制限・コントロールするようになり)、どこもビザ取得条件は横並びで同じようになっていきます。

ビザの条件は年々刻々と変わり、基本的には、厳しくはなっても緩くなることは稀です。これから海外のどこかで日本語教師をしようと考えている方は、資格取得の前に、働こうと考えている国の最新のビザ情報を確認してから臨まれることをお勧めいたします。

 それ以外でも新卒だと難しい

ビザの条件だけでなく、国内であっても、新卒だと日本語教師としてやっていくのは何かと難しい側面があります。難しい理由として、日本語教師は、

  • 即戦力となる経験者が優遇される中途採用市場であること
  • 薄給のため貯金の切り崩しが必要な場合があること(予め貯蓄が必要)
  • アウトプットできる説得力のある日本社会での豊富な実体験・人生経験が必要

であるためです。その辺りは→日本語教師か就職かの進路に迷ったらにまとめてありますので、そちらをご参照いただけますと幸いです。

 社会経験は大切な学習項目の1つ

外国人学習者は、日本語の文法や若者文化だけでなく、これから自分らが関わっていくリアルな日本の社会(企業風土等含む)も知りたがっています。日本語の文法など養成講座や大学での専攻、検定試験の勉強での机上論だけでなく、日本社会における豊富な経験も、日本語教師自ら体得しておかなければならない大切な学習項目ですので、そうした持ち合わせがない新卒の方は、日本語教師としてやっていくには厳しく、なってもすぐに辞めてしまう傾向があり、そのことが日本語教師の離職率が高い要因の1つにもなっています。

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