日本語教師の求人が多くなる時期とかありますか?

Q. 日本語教師の就職活動をしている者です。いまいち就活のペースがつかめないでいるのですが、日本語教師の求人が多い時期とかあるのでしょうか?

A. いいえ、日本語教師になるにはのページにても案内しておりますが、日本語教師は離職率が高く、慢性的に人手不足な欠員補充・中途採用市場ですので、これといって何月に決まって求人数が多くなる、といったものはありません。中途退職者がでればすぐに欠員補充をしますし、任期満了者の満了時期も様々ですので、年間通じて常時、求人が出続けているのが日本語教師市場の現状です。

ただ、強いて言うなら、各国の新年度のはじまりまたは新学期のはじまり(開講コースのはじまり)に注目するとよいかもしれません。

また、それとは別に「求人応募者が多い(倍率が高い)時期」というのもありますので、末尾参照の上、ご参考にしていただければ幸いです。

 海外で就職する場合

例えば、欧米圏その他海外では、9月に新年度がはじまる国が結構、多いです。9月に新年度はじまりの国は大概、6月が年度末で、7-8月が長期ホリデー(休み)になりますので、「できればホリデー前またはホリデー中に、翌年度の採用者を決めたい」と学校側(採用担当者ら)は考えています。

就職スケジュールよって9月にさかのぼること、

4月-6月頃に求人を出して募り、書類選考をして、

6-8月中には面接をして、

9月に着任してもらう、というパターンの学校が少なからずあります。

海外の日本語学校や大学の採用担当者も、7-8月がお休みなので、日本に来日して最終面接などをおこなっている募集機関も散見します。ちゃんとしている機関ほど前もって余裕をもって採用活動にあたります。

ですので、特に4-6月頃に求人に対してアンテナを張って、インターネット上の日本語教師の求人情報をチェックしておくと、就職活動にメリハリを付けやすく、ご自身のペースもつかめてくることでしょう。あとはルーティーンの繰り返しを根気強く続ければ、良い就職先にめぐり合う確率も高くなります。

 日本国内で就職する場合

以上が海外の一例ですが、日本国内の日本語学校等については、必ずしもそのパターンではありません。日本国内の日本語学校は、海外から来る留学生対象の日本語コースを、1,4,7,10月の年4回、開講時期を設けている学校もあれば、4、10月の年2回のみのところもあります。

日本語教員の欠員が出る場合、それら各日本語クラスの開講時期にさかのぼること2ヶ月前くらいに求人を出すことが多いので、(1,4,7,10月)-2ヶ月=11,2,5,8月頃に求人が増えるかも、ということになりますが、それですと結局は「年間通じてずっと」ということになりますので、日本国内においてはヤマの張りようはあまりない、ということになります。

そこで参考になるのが過去の求人情報です。過去の日本語教師の求人情報は、過去ではなく未来に役立つ情報の宝庫です。例えば、日本語教師の求人情報を3,4年さかのぼってみてみると、「1年のうち、ある決まった時期」に定期的に求人を出している学校などの「パターン」があることが過去の求人情報から読み取れます。

ですので、「あ、ここで働いてみたいけど(今は募集はしてない)」といった勤務希望先(学校機関)があったら、過去の求人情報をチェックして、「だいたいこの時期(3月なら3月)に毎年求人を出すんだな」というポイントを押さえて、次回の求人に応募できるよう、準備しておけばよいのです。

ちなみに、毎年、同時期に定期的に同時期に求人を出すのも良い学校(勤務先)の証拠とも言えます。というのも、日本語教師はだいたい1年契約か2年契約ですので、きちんと契約任期満了すれば、次回の求人募集月は、また1年後または2年後の同じ月頃になるから、です。

前任の日本語教師が任期を全うしての「円満退社だった」=「トラブルのない良い職場環境であった可能性が高い」という判断基準の1つにすることができます。

さらに、その前任の方との引継ぎ期間を数週間でも設けてくれる勤務先であれば、(生徒のことも考え、かつ新任のことも考えているのですから)なおさらそこは良い職場環境である可能性が高い、といえます。

求人情報からもわかる良い環境の勤務先かどうか
1.例年の定期的採用パターン=前任の円満退職可能性大=良い環境の可能性大
2.前任との引継ぎ期間があるか(面接等で確認)=生徒や新任を大切にしているかがわかる
3.過去の求人情報と比較して、待遇変化(悪化/改善)をチェック=勤務先の将来性がわかる

もしこのパターンが崩れ、前回募集からたった数ヶ月でまた求人を出し募集をしている機関であったら、それは採用した日本語教師が「諸事情で急きょ辞めてしまった」か、「何か学校との間でトラブルがあったのかもしれない」という何かしらのリスク要因が推測されますので、その場合は、面接などの際に、前任の退職理由などを確認して、もし何か臭うようなら、その学校への就職は避けておいたほうがよいでしょう。

短期間に何度も日本語教師の求人募集をかける、ということは、学校内での講師陣の入れ替わりが激しく、日本語学習者である生徒も落ち着かず、不満を持っているものです。
また、学校の問題点を知ってしまって辞める前任の講師に会わせようとしない学校もあります。

これらは「就職サポート」などで外注してしまうとまったく見えなくなってしまう部分ですので、日本語教師の就職活動は、就職サポートなど利用せず、しっかりと自分の耳・目・肌で感じて選別眼を養うようにしましょう。

このように、過去の求人情報から未来に役立つ客観的データがたくさん埋まっています。

「日本語教師 求人」で検索して開いたページが有効期限切れ(応募締切日過ぎ)のものだと、ろくに見ないですぐページを閉じてしまう方がいますが、正直、もったいないです。

過去の求人情報には、それ以外にも、例えば待遇(給与)やビザサポート情報、住居・宿舎提供の有無等々、これからの未来のあなた自身の生活設計に関わる重要な情報がたくさん含まれてますので、過去のモノサシで未来を計る技術をマスターして効率的な日本語教師の就職活動にお役立てください。

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求人応募者が多い(倍率が高い)時期

「求人数が多い時期」ではありませんが、「求人への応募者が多い時期」つまり「倍率が高くなり、採用が決まりにくい時期」というのはあります。

それは日本語教育能力検定試験が終わった直後くらいの時期です。

日本語教育能力検定試験は毎年1回、10月下旬に開催され、合格発表は12月に行われますが、この11月~2月頃にかけては、この試験に合格して意気揚々とした新参者が日本語教師の採用市場になだれ込んでくることになり、他の時期よりも応募者(つまり競合他者)が増え、必然的に1件の求人に対する倍率も高くなり、なかなか就職活動が成就しにくくなる、という傾向があります。
よってこの時期を避け、11月前までに就職活動を集中的に済ませる、というのも就職成就の可能性を高める1つの方法です。