日本語教師と英語力

当ページでは、日本語教師の英語力に関して、弊社で受けたご質問とその回答を下記しています。

 日本語教師は英語力は必要か

Q1. 日本語教師は英語力は必要ですか?日本語教師としてやっていくには英語が話せることが必要か知りたいです。

A. 結論から言うと、(どこで働くかによっても大きく異なりますが)日本語教師は英語力はあるにこしたことはありません。英語力とは「話す」だけでなく、「文法力などの知識」も含めます。

 日本国内で働く場合

日本国内の一般的な日本語学校など狭い範囲で勤める場合は、英語が非母語者のアジア系の生徒がほとんどを占めていますので、英語力が求められる求人は多くはないでしょう。専ら日本語教師はアジアから来た生徒らの「お世話係」と言っても過言ではないからです。

しかしながら、日本国内の日本語学校(法務省告示校)の就職試験にて、例えば以下のような英語力を求める問題が実際に出題されたこともあります。

Q.日本語学校を辞めようか悩んでいる主旨の生徒の手紙(英文)に、担当教員として英語で返事を書きなさい。(国内の法務省告示校での筆記試験にて出題)

このように、例え求人の応募資格に英語力の記載がなくても、日本国内においても英語力を求められる機会に突然遭遇する場合もあります。

また、日本語を教える過程で、「共通の外国語である英語」と日本語を対比させて教えると、アジア圏出身の学習者にも、より分かりやすく伝えることができる場合がありますので、頭の引き出しは多いほうがよい、つまり英語の知識はあるにこしたことはありません。

学校ガイドちなみに「日本語教師になるための学校ガイド2018」(イカロス出版)では「日本語学校へのアンケート」結果にて、「日本語学校が採用で重視するポイントランキング」の第7位に、「英語などの外国語力」を挙げています。

その前年の2017年版「日本語教師になるための学校ガイド」でも同様で、「採用者が重視するポイント」の第7位に「英語などの外国語力」がランクインしていました。

日本国内の日本語学校の求人情報の応募資格に「英語力」が記載されていなくても、採用担当者は英語などの外国語力も評価していることがうかがえます。

また、文部科学省の「日本語教員として望まれる資質・能力」にも以下のように指針されています。

日本語教育のための教員養成について(報告)(抄)
-日本語教員の養成に関する調査研究協力者会議

日本語教員に求められる資質・能力として,次のような点が重要であると考える。

日本語教員としての基本的な資質・能力について
日本語教員として望まれる資質・能力として、まず基本となるのは、日本語教員自身が日本語を正確に理解し的確に運用できる能力を持っていることである。その上で、これからの日本語教員の資質・能力として,次のような点が大切であると考える。
(ア)言語教育者として必要とされる学習者に対する実践的なコミュニケーション能力を有していること。
(イ)日本語ばかりでなく広く言語に対して深い関心と鋭い言語感覚を有していること
(ウ)国際的な活動を行う教育者として,豊かな国際的感覚と人間性を備えていること。

日本語教員の専門的能力について
次に,日本語教育の専門家として,個々の学習者の学習過程を理解し,学習者に応じた適切な教育内容・方法を判断し,それに対応した効果的な教育を行うための,次のような能力を有していることが大切である。
(ア)言語に関する知識・能力
外国語や学習者の母語(第一言語)に関する知識,対照言語学的視点からの日本語の構造に関する知識,そして言語使用や言語発達及び言語の習得過程等に関する知識があり,それらの知識を活用する能力を有すること。
文部科学省 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20000330001/t20000330001.html

以上から、広く長く日本語教師をやっていく場合は、英語を筆頭とした外国語能力は避けては通れないものと言えるでしょう。

 日本国内でも英語力が必要な場合

日本国内の日本語教師の求人でも、例えば、

  • 欧米圏の生徒の割合が高い日本語学校やその中の特定のクラス
  • 外国語学校やインターナショナルスクール
  • 米軍基地勤務の日本語教師
  • 海外の学習者にインターネットで教えるオンライン日本語講師の求人
  • 外資系企業に出向して日本語を教えるマンツーマンやグループレッスン

・・・などでは英語で日本語を教えられること(間接法教授ができること)が採用条件として求められている場合が多いです。こちらの英語力をいかせる日本語教師の求人情報などで具体的な募集事例をご覧いただけます。

また、外国語学校やインターナショナルスクールなどでは、校内の言語が英語であることが義務付けられていたり、職員室での他の教員との会話が英語のほうがスムーズな場合もあります。

 海外・・・アジア圏で働く場合

海外でもアジア圏で日本語教師として働く場合は、(アジアの非英語圏で働く場合は)直説法で教えることが多いため、英語力を求められることはあまりありません。

 アジア圏でも英語力が必要な場合

但し、就職先がアジアであっても、インドやシンガポール、フィリピンなどでは日本語教師にも英語で教えられるスキルが採用条件で求められていることが多いです。

「直説法で教えるからアジア圏でも日本語教師は英語は必要ない」との意見もありますが、実際の求人情報では以下のように採用条件に課しているものもあります。

日常会話レベルの英語を話せる方。
(授業は直説法で行います。英語で質問された場合に答えられる程度の英語レベルを必要とします。)※マレーシア・クアラルンプールの語学学校の2018年10月の求人より

また、アジア圏の大手の語学学校勤務の場合は、フランス語やスペイン語、英語など各国語の授業を展開してますので、世界各国からいろいろな国籍の語学講師が勤務しています。そんな他の講師とティーチャーズ・ルーム(職員室)やミーティングで打ち合わせなどをする際には世界での共通語である英語が必然的にコミュニケーション手段の言語となりますので、英語はできたほうが良いです。

 海外・・・欧米圏で働く場合

海外でも欧米圏で教える際には、(アジアのように日本語で日本語を教える直接法ではなく)英語やその学習者の母語(例えばドイツならドイツ語)で教える間接法での教え方が一般的ですので、英語力などの外国語能力が求められることが多くなります。
もちろん、日本語教師が現地で生活する上でも、英語その他、その国の母語能力が必要となってくることは言うまでもありません。

 海外では英語の教員免許を持っているのか?

Q2. 海外で日本語を教えている日本語教師の方は英語の教職免許はお持ちなのでしょうか? 日本語教師を海外でするには、高校や中学の英語の教職資格はとっておいた方が有利なのでしょうか?

A. 上のQ1と同様ですが、日本語教師をやっていく上では必ずしも「中学や高校の教員免許」は必要ありません。むしろ英語の教員免許に関しては日本語教師とはあまり関係ないことがほとんどです。

但し、海外の日系の教育機関(日本人学校や補習校など)でも日本語教師を募集することがあり、その場合は、「外国語としての日本語」というよりは、「国語としての日本語」を教えるスキルが求められているため、日本語教師の資格に加え、国語の教員免許を持っていると有利に働くことはあります。

いずれにしても日本語教師をやっていく上で、教員免許を持っていても、得をすることはあっても損することはありませんので、もし教員免許を取れる機会があるのなら、英語に限らず、国語などいろいろな科目の免許を取得しておいたほうがよいでしょう。資格や免許は一度取得しておけば、あとは税金も維持費もかかりませんので、得こそすれ、不利はありません

 履歴書には英語の資格は書くべきか?

Q3. 日本語教師の履歴書にTOEICのスコアや英検の級は書いたほうがいいですか?

A. はい、書いたほうがよいです。語学系や教員免許など関連する資格や経験はなるべく書くようにしてください。また、できればTOEIC(トイック)はスコア700点以上、英検は2級以上を最低限クリアしておくよう、努めてください。英語での一般的な日常会話能力や海外生活を始めるにあたっての最低限必要とされる英語力はおよそTOEIC700以上、英検2級以上が多く、またそれ以下でスコアや級が低くなるほど、同じレベルの方も多くなるので、資格としての希少価値は薄まっていきます。

その他、意外と書くべきなのが「普通自動車運転免許」です。日本語教師はローカルの学校などは車で出向しなければならないケースがありますので、語学系とは関係のない資格ですが、履歴書には書いておいたほうがいいでしょう。

 英語を上達させるには?

Q4. 英語を上達させるにはどうすればよいですか?

A. 個人差がありますので、人それぞれですが、一般的には英語の1000時間理論というのがありますので、1000時間を目安に、より大量の英語に触れること、読んだり話したり聴いたりすることが大切です。
一般的には、英会話スクールに通ったり、英語教材で学習したり、ラジオやTVでも英語番組はたくさんあるのでそれらを見聞きする、などの方法があります。
上記のようにTOEICや英検などを受けて英語力を形(資格)で表すのも一手です。
また、自分が好きなものを通じて英語を学習していくのも効果的です。例えば、映画が好きな人は、映画のセリフなどを通じて勉強したり、以下のようなハリウッドスターのインタビューなどを通じてボキャブラリーを増やしたりする方法なども一例として挙げられます。
いずれにしても、より多く、より長く、より大量に英語に触れることが英語上達の鍵と言えるでしょう。

 国内で間接法を学びたい

Q5. 国内の日本語学校に勤めてますが、この度、クラス増員で欧米圏(専ら英語母語者)の生徒のクラスが編成され、英語で教えることになりました。英語での教授法を学ぶよい方法はありますでしょうか?

A. 英語で日本語を教える方法を間接法と言いますが、こちらの日本語教師養成420時間の通信講座で間接法を学習できます。英語圏での日本語教師指導歴20年以上の日本人講師が担当します。また、教材テキストの「日本語教師指導要綱」などは、そのまま教師用マニュアルとして教壇に立つ際に重宝することでしょう。

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