日本語教育能力検定試験出題範囲変更

先日、一般の方から弊社に「日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行」についてお問い合わせを受けたので、この件に関して簡単にまとめておきます。

日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行の発表

2021年11月5日に、公益財団法人 日本国際教育支援協会(JEES)より、

日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行について
 日本語教育能力検定試験は、令和4年度の試験より「必須の教育内容」 (文化庁)に準じた出題範囲に移行します。
http://www.jees.or.jp/jltct/ およびその具体的な詳細
http://www.jees.or.jp/jltct/pdf/R4syutsudai.pdf

と発表がありました。

概要は上記URL(PDF)記載の通りですが、

  • 試験問題は,「必須の教育内容」(文化庁)に基づいて出題されます。
  • 試験の目的,受験資格,水準の変更はありません。
  • 試験の構成,出題形式の変更はありません。

令和 3 年度までの旧出題範囲も「必須の教育内容」と同様に「平成 12 年教育内容」に基づいたものであり,今般の出題範囲の移行によって出題内容が全面的に変わるものではありません。

日本語教育能力検定試験は,今後も日本語教師の養成段階を修了した時点で求められる知識・能力が一定の水準に達しているかを検定する試験として実施いたします。

とのことで、それほど何か劇的に試験内容が変わる、というわけではありませんので、大騒ぎすることでもありません。

弊社のほうにも、早速、

日本語教育能力検定試験は、令和4年度の試験より「必須の教育内容」(文化庁)に準じた出題範囲に移行するということですが、テキストやカリキュラムの変更の予定はありますか。

とのお問い合わせをいただいたのですが、元々、こちらの日本語教師養成講座 420時間 通信教育は、「必須の教育内容」(文化庁)に基づいた講座内容となっています。
→参考:文化庁『日本語教員養成において必要とされる教育内容』とは

日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行の意味・影響

1.【朗報】より基礎的になるということ

前述の通り、この「出題範囲に移行」で何か劇的に変わるわけではありませんが、強いて変化を挙げるとなれば、「より基礎的な」出題内容になる、ということです。

元々、日本語教育能力検定試験は、平成23年度(2011年)の試験から、内容の一部改定が行われ、基礎項目を中心に出題されるようになりました。また記述式問題の「考えや主張」のその伝え方の論理性と日本語力が問われるような傾向に変わりました。
→参考:試験会場一覧(日本語教育能力検定試験)
この原点回帰傾向がさらに強まっただけです。

すでに多くの日本語教師養成機関、例えば日本語教師養成課程(専攻/副専攻)を有する大学や、文化庁届け出受理の日本語教師養成420時間講座は、この「必須の教育内容」(文化庁)に基づいたコース内容となっています。

つまり、文化庁の指針に「対応済」の大学での専攻や、民間の文化庁届け出受理の日本語教師養成講座にてふつうに勉強していれば、日本語教育能力検定試験対策にもなる、ということです。

2.公認日本語教師制度の最終筆記試験への昇格準備

なぜこのタイミングで日本語教育能力検定試験の「必須の教育内容」(文化庁)」への「出題範囲に移行」が行われる必要があったのか?というと、それはもうすぐ公認日本語教師制度(国家資格)が始まるからです。
→詳細:国家資格(公認日本語教師)でどう変わるか

  • 大学での専攻および教育実習
  • 民間の日本語教師養成420時間講座の履修および教育実習

のあとの、筆記試験「日本語教育能力を判定する試験」に、この日本語教育能力検定試験が昇華するための前段階として、今回の「出題範囲に移行」の発表がなされたものと思われます。

いずれにしましても、前述の通り、特に何か大きな変更が生じるわけではなく、むしろ【朗報】なので、心配は無用です。