日本語教育能力検定試験まであと3ヶ月を切りました。当ページでは、残り3ヶ月を切っての、検定受験に際しての注意点をまとめてみました。

※このページは2022年までの日本語教育能力検定試験に関する過去記事となります。

願書の注意点

出願手続きは振り込んでから

秒読みカウントダウン例年、10月に開催される検定試験の3ヶ月前ぐらい(8月上旬)が出願の締切となります。まだ出願手続きをしていない人は、急ぎましょう。

出願には証明写真と受験料の振替払込受付証明書が必要なので、ギリギリに出願書類を書いて送るだけのつもりでのんびりしていると、受験料の支払いができず、出願締切に間に合わない場合があります。

証明写真は合格証書に印刷される

出願で大事なのは添付する証明写真。3ヶ月以内に撮影した上半身、正面、無帽、無背景のカラー写真(縦4cm×横3cm)が必要ですが、この写真、合格した場合に、データ処理されて合格証書に印刷されます。
出願後の写真の変更は一切できませんので、企画どおりの写真を正しく貼ってください。」とのこと。
就職活動の際にも提出を求められる可能性が高い合格証書ですので、間に合わせの写真で済まさずに、先々のことも考えて就職活動でも信用を得られそうな写真を撮っておきたいところです。
納得のいく写真を用意できれば、その写真で合格証をもらうことをイメージしつつ勉強のモチベーションも上がってくるでしょう。
写真貼付前に裏に生年月日と名前の記載も忘れずに。

願書は特定記録郵便のみ受付

特定記録郵便特定記録郵便以外による出願、出願期間以外の出願および所定の封筒によらない出願は受け付けられず、返送されてくるとのことなので、十分に気をつけてください。
出願書類等は郵送前に、自分の控えとして必ず忘れないようにコピーをとることを忘れずに。
最後に封をする前に封筒に印刷された出願書類チェック表で念のため確認してから、郵便局の窓口に持って行きましょう。

直前学習や受験時の注意点

試験日まで残り3ヶ月を切ったら

試験日まで3ヶ月を切ると、試験本番に向けて追い込み準備をしたい時期ですが、とにかく出題範囲がやたらと広いのが日本語教育能力検定試験勉強の難しいところ。過去の試験問題を何年分か解いてみると、膨大な範囲の中でも出題のポイント、押さえなければいけない重要語句がつかめてきます。

日本語教育能力検定 過去の試験問題

 時間配分のイメトレ

また過去問を解いて把握すべきは時間配分。制限時間内に見直しの時間まで想定すると、選択肢を迷っている時間はありません。例えわからない言葉だらけの難解な問題に当たったとしても、その問題に時間をかけすぎず、次の問題にさっさと進めていく時間の使い方の要領を知ることも必要です。テキストに沿って基礎知識をしっかり頭に入れる勉強時間も大事ですが、早めに多くの過去問題にあたって、自分なりの時間配分のルーティンを決めておくことをオススメします。

 ケアレスミスの癖をつかむ

試験は第一部~第三部の長時間に渡るため、集中力がもたないとケアレスミスが増えます。時間制限内に模擬問題や過去問題を解いてみて、どんなケアレスミスが生じやすいか知っておくと、自分が気をつけなければいけない点がわかってきます。

【ケアレスミスの例】
☆問題文や選択肢をよく読んでいない。

  • 問題文中「適切なもの」「不適当なもの」選ぶべき解答の勘違い。
  • 選択肢の読み間違え。解釈の思い込みや勘違い、見落とし。
  • 長文をよく読んでいない(一見難しそうな長文問題でも、解答ヒントが文中に隠されている場合もあり)。

☆問題と回答がずれる。

  • わからない問題があって次の問題に進む際などに解答欄がずれる。
  • 選択したつもりの解答の記号と実際選択したものがずれている。

「この問題は絶対正解!」と自信満々な時こそケアレスミスが生じるもの。たった1問のケアレスミスが合否を分けることもあるので、気をつけましょう。

また聴解問題・記述問題については、人によって得意不得意が分かれますので、まずは早めに取り組み、自分なりの要領、時間配分などをつかんでおく必要があります。

 聴解問題

聴解問題はちょっとした短い空白時間(例題を聞いている時間や選択肢を読むために設けられた時間、次の問題との間の時間)をどのように使うかで、解答が楽になる場合もあります。重要な部分に線を引くとか、口腔断面図にメモをしておくとか、二回読み上げられる問題については、一回目で二択にしぼるなど、自分なりにやりやすい方法を日々問題を解きながら模索しましょう。

 記述問題

記述問題については、学生時代に小論文が得意だった人にはラッキー問題かもしれませんが、制限時間内に出題テーマについて自分の意見を決めて、制限字数400字程度で論じなければいけませんので、苦手な人には作文のトレーニングが必要です。

市販の問題集や参考書の例題の模範解答を参考に時間をかけて練習しておかなければなりません。文章を書くのが苦手な人は、最初は過去問や参考書の例題の模範解答を書き写すところからはじめてみると、文の構成やまとめ方のポイントがわかるようになってきますので、模範解答を写すところからはじめてみましょう。(ただし記述問題はマークシートの採点結果、成績上位60%に入らないと採点されませんので、記述問題対策ばかりに時間を割きすぎないように注意。)

丸暗記が必要な内容については、早々と暗記しても忘れてしまうので、直前のチェックポイントや復習しなければいけない箇所だけ把握してまとめておき、直前に要領よく勉強できる準備を今のうちにしておきましょう。

 休憩時間も活用する

試験当日、試験ⅠⅡⅢの間に休み時間がありますので、休み時間に大事なところを復習できるようなノート等もまとめておくと便利。検定本番前のこの2~3ヶ月間に自分の不得意分野をいかに把握し、試験のポイントを押さえつつ集中して勉強できるかどうかが、合格の鍵になります。

検定対策直前講座や通信教育など

以上が独学を中心とした場合の検定試験直前の注意点ですが、その他には通学の短期の検定直前対策講座や、通信講座などもあります。

特に独学系の人には、通信教育は相性がよい傾向があり、検定にしぼったNAFLの検定対策講座や、文化庁指針のカリキュラムにそった420時間の学習もしながら検定試験の過去問の解説指導が受けられる通信教育なども併用しながら、試験合格を目指す方が多くいらっしゃいます。
特に420時間を修了しておくことは、受験生にとっても一定の安心材料にはなるようです。

疑問に思う点は試験前に講師に質問できるのもメリットの1つ。

日本語教育能力検定試験は丸暗記ではクリアできない、「教えた経験」がないと、なぜこの答えになるのか理解できないような問題も少なからずありますので、日本語教師養成講座で実際の「教え方」を学ぶことで試験勉強の吸収率も向上します。

12月に日本語教師としての第一歩となる合格証書を受け取れますように(合格するイメージトレーニングも大事です)!

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