日本語教育能力検定試験受験料値上げ2023年

2023年4月14日に、2023年度(令和5年度)の日本語教育能力検定試験の実施要項が発表されました。

例年通り、年1回、10月の日曜日(10月22日)に開催され、12月下旬に合格発表となります。

→実施要項や合格率など詳細はこちら[ 日本語教育能力検定試験とは ]

国家資格(登録日本語教員)制度施行後、令和6(2024)年度以降の日本語教育能力検定試験およびその資格としての効果については、こちら『今後、日本語教育能力検定試験はどうなるか 』をご参照ください。

以下は、令和5(2023)年度までの状況をふまえた過去の記事となります。ご了承ください。

2023年の変更点

受験料さらに2500円の値上げ

2023年度(令和5年度)から、日本語教育能力検定試験の受験料がさらに2500円、値上げされることになり、17,000円(税込)となります。

2021年度の3500円値上げに続いての大幅値上げです。

令和5年度の実施にあたっては、試験会場借料や会場運営に係る費用が増加するため、今後も安定的に試験を実施するうえで、受験料を改定せざるを得ないことをご理解ください。 受験者の皆様におかれましては、何卒よろしくお願いいたします。
http://www.jees.or.jp/jltct/

とのことです。

「試験会場借料や会場運営に係る費用」に加えて、おそらく受験者の減少も関係しているかと思われます。

検定の受験者は令和元年度(2019年)をピークに、年々、減少傾向です。

オンライン出願はじまる

これまでは出願用紙を購入し、受験料は銀行振込、出願書は郵送という出願方法でした。しかし、2023年度(令和5年度)から、オンラインでの出願が基本となります。一応、ネットに弱い方のために、郵送等での「別途受付方法をご相談」とのことですが、受験者は年配の方が多いため、混乱も予想されます。

※以下は過去(2021年以前)の記事です。

2021年の変更点

日本語教育能力検定試験値上げ

2021年3月25日に、2021年度(令和3年度)の日本語教育能力検定試験の実施要項が発表されました。

例年通り、年1回、10月の日曜日(10月24日)に開催され、12月下旬に合格発表となります。

受験料3700円の値上げ

しかし、今年は検定受験料が3700円値上げとなり、これまで10800円だったのが、14500円となりました(いずれも税込み価格)。

値上げの理由は、

新型コロナウイルス感染症拡大の予防措置、試験会場確保及び実施体制に係る費用が増加するため、受験料を改定せざるを得ないことをご理解ください。
http://www.jees.or.jp/jltct/

とのことです。

通常、翌年の試験実施要項は、前年の12月~1月上旬には公表されるのですが、2021年度分は3月25日まで公表が遅延しました。この試験料値上げの算定などが難航していた模様です。

出願期間は少し短い

願書の受付期間(出願期間)は、2021年7月5日から8月2日の消印有効とのことで、コロナ禍の昨年2020年度とほぼ同じではありますが、それ以前は6月下旬~8月上旬だったので、2週間ほど受付期間が短くなっています。

会場はコロナ禍バージョン

細かい具体的な試験会場は変動が生じたコロナ禍の昨年とほぼ同様になると思われますが、現在のところは、「北海道 、東北、関東、 中部、 近畿、中国、九州」という全国主要都市名だけが公表されています。
→昨年およびこれまでの受験会場はこちら[ 試験会場一覧 ]をご参照ください。

また、試験当日の「マスク着用必須」や当日の「自己ヘルスチェック表」の提出も昨年通りです。

但し、2021年度の検定試験における「新型コロナウイルス感染症拡大予防対策」は、今後の新型コロナウィルスの感染状況に応じて、また変動する可能性はあります。

海外在住者は受験し難い

前述の「自己ヘルスチェック表」をチェックすると、以下のような項目があります。

  • 新型コロナウィルス感染症と診断されている⼈と14⽇以内に濃厚接触がある。
  • 14⽇以内に海外渡航歴がある、または14⽇以内に海外渡航歴がある⼈と濃厚接触
    がある。
  • 保健所から⾃宅待機を指⽰されている。
  • 同居している⼈が上記項⽬に当てはまる。
    http://www.jees.or.jp/jltct/pdf/besshi42021.03.25.pdf

そのため、海外在住者が日本語教育能力検定試験を受験するために試験日前後だけ短期帰国してトンボ帰りする、というスケジュールは難しいため、海外在住者は受験しづらいのではないでしょうか。

国家資格化(登録日本語教員制度)施行後はどうなるか?

「登録日本語教員制度」は現在のところ、2024年から施行される予定となっています。
→詳しくはこちら[ 登録日本語教員(日本語教師の国家資格?)になるには ]をご参照ください。

では日本語教育能力検定試験はどう変わるか?というと、どうやら「日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)」というものに変貌を遂げるようです。

日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)とは

おそらく試験内容自体は、現行の日本語教育能力検定試験と同じような内容と思われます。

2021年(令和3年)3月23日の文化庁「日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議(第4回)」の「日本語教師の資格の仕組みのイメージ(案)議論のためのたたき台」によると、この「日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)」は、①基礎 と ②応用 の大きく2つに分かれており、

  • 筆記試験①:区分ごとの基礎的な知識・技能の測定
  • 筆記試験②:区分横断的な複合問題及び聴解試験

といった構成になっています。この試験では実技はありませんが、試験合格後、別途、実習を受けなければなりません。

免除あり

「登録日本語教員」を目指す者は全員、この「日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)」を受験しなければなりませんが、

  • 「大学の日本語教師養成コース」を専攻した者
  • 「文化庁届け出受理の日本語教師養成420時間講座」を修了した者

は、この「日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)」の①と、その後別途の「実習」は免除されます。

要は大学や養成講座で基礎的な知識と実習は学んだので、重複する部分は受けなくてよい、という判断です。

一発合格をねらう者は免除なし

逆に、「日本語教育能力を判定する試験(筆記試験)」のみの一発合格で日本語教師を目指す者は、この筆記試験のすべて(①と②)に合格したあと、別途、指定の機関にて実習も受けなければなりません。

今後も変更に注意

国家資格については、まだ協議中の段階であり2024年まで時間があり、今後もいろいろ変更が生じる可能性があります。

例えば、2019年の案では、日本語教師は全員、学歴(四大卒以上)が必須となっていましたが、2021年3月の案では、学歴は撤廃されました。

まだまだ変動中の制度について、不確かな情報にそってあわてて 大卒の資格を取ろうとして、必要ないものに大金をはたいてしまう可能性もありますので、こちらの[ 今は日本語教師は目指さないほうがよい理由 ]などをご参考にしていただき、ご自身にあった進路を冷静に判断していただければ幸いです。

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