海外で教師というと「日本語教師」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、それ以外にも保育士・幼稚園教諭や、塾講師などもその経験をいかして働くことができます。

塾講師に関しては、日本語教師や保育士・幼稚園教諭などに比べると、求人の数は少なくなりますが、それでも欧米圏~アジア圏まで意外といろいろな働き先があります。

塾講師が活動する国

これまで弊社に塾講師としての経験が活かせる求人が寄せられた国は、一例として以下の通りです。

  • アメリカ(ハワイ、オハイオ、カリフォルニア各地)※特に西海岸は多い
  • インド
  • オーストラリア
  • カナダ(バンクーバー)
  • 韓国(語学学校の日本の大学入りを目指す韓国人学生を対象としたEJU、JLPT対策など。)
  • シンガポール
  • 台湾
  • 中国(吉林省の大学、香港)
  • ニュージーランド
  • ベトナム

基本的に、日本人が多く住む国・地域に、塾講師の需要もあります。現在、日系企業が多く進出していっているため、今後は特にベトナム、インドでの需要が高まることと思われます。

具体的な求人は、後述の「塾講師の求人情報」などをご覧いただければ幸いです。

海外の勤務先や待遇は?

勤務先は日系の学習塾や日本語教室、補習校などが多いですが、塾・教室に止まらず、幼小中高一貫校の学園などの他、中には大学や日本語学校もあります。

勤務形態も常勤(正社員)や非常勤(パートタイム)などありますが、日本にいる人材を募集する際は、(パートタイムではビザがおりませんので)必然的に常勤(正社員)を募集していることがほとんどです。

日本人子女に教えますので、日本人でなければいけない、いわゆる「専門職」となりますので、四大卒以上等、最低限の条件を満たしていれば、比較的、就労ビザは認可されやすいです。ビザ取得にかかる費用は、通常、勤務先負担であることがほとんどです。

勤務先が日系が多いということもあり、給与等待遇は、日本国内のものに準ずることが多く、滞在先提供含め、それなりの待遇が約束されていることが多いです。(ちなみに現地法人に採用される日本語教師の場合は、月5万円相当程度の破格な現地価格で働かなければならない場合などがあります。)

職務内容は?

日系の教室や学園で勤める場合は、基本的には日本における塾での指導と同じですが、海外ということで少数精鋭でまわしている教育機関も多いので、いろいろな科目や学年を教えられる、オールラウンダーな役割を求められていることが多いです。

中国の大学などの場合は、日本語教師としての役割が求められます(国語としての日本語ではなく、外国語としての日本語を教えられるスキル)。また、韓国の日本語学校などの場合は、EJU(日本留学試験)、JLPT(日本語能力試験)対策などが担当となったりしますので、国語指導歴だけでなく、数学や理科など理系科目を教えられる方などがも評価されます。

教える対象は?

勤務先が日系の教育機関であれば、現地日本人駐在員の子どもや、国際結婚された日本人のハーフのお子さんなどが主な生徒になります。これから日本に帰国する帰国子女に、受験勉強等の指導をおこなうこともあります。

それ以外には、中国の大学勤務の場合は、ほぼすべて生徒は中国人になりますし、韓国の日本語学校ですと、日本の大学入学を目指す韓国人が教える対象になります。

語学力は必要か?

日系の教育機関で働く場合は、基本的に語学力は求められない場合が多いです。語学力の有無は求人情報段階で明記されています。

ただ、現地で多言語を扱う語学スクールなどの場合は、学校の教員室でのやりとり等は英語ないし現地の言語になる場合があり、その場合は現地の言語の能力が求められます。

また、海外に住むので当然、その国の言葉ができればできるほど生活は楽になりますし、ご自分の身を守るためにも、一定の語学力はあったほうが望ましいです。

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求人の探し方は?

「塾講師 求人 海外」などのキーワードで検索すれば出てきますが、ご参考までに弊社に寄せられた求人情報は、以下にてご覧いただけます。

前述の通り、日本語教師や幼児教育機関より全体量は少ないですが、それでも年に数件は求人が寄せられています。(採用決定となり、掲載削除依頼があった過去の求人などは削除したものもあります。)

また、最近のトレンドとしては、塾講師においても、補習校などオンラインで教える形態が増えてきています。
オンラインではSkypeを使って、というのが一般的ですが、オンライン教育機関でもいろいろあって、欧州在住者を得意とするスクール(塾や補習校)や、専ら中国人専門に教える所など、それぞれ集客生徒に特色がありますので、相手方(生徒)が住んでいる地域との時差などを考慮しながら、ご自身に合ったところを選ぶとよいでしょう。

日本国内で全国展開している大手進学塾なども、グローバル展開を始めており、そのホームページなどでも海外勤務の講師募集などをおこなっています。同塾の下、ブランチがあるA国で2,3年働き、次はB国で2,3年勤務・・・といったキャリア構成も積むことができる可能性があります。

スキルの補充

塾講師経験はあるけれど、外国人やハーフの子どもたちに日本語を教えたことがない場合などは、海外で働きながら、またはオンラインで教えながらでも、こちらの通信の日本語教師養成講座にて、日本語指導のノウハウを学ぶことができます。塾等は法務省告示機関の資格の縛りもありませんので、通信講座でも有効活用でき、英語で教える間接法なども学習することができます。

まとめ

以上のように、意外と塾講師という仕事はグローバルであり、日本での経験をそのままスライドさせるような形で海外でいかすことができます。
海外での生活および教育経験は、日本帰国後にも必ずいかせるものですので、ご自身のキャリア構成の選択肢の1つに、海外での塾講師というのも加えてみてはいかがでしょうか。