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カナダ・BC州の教育制度

カナダに移民して、結婚して子どもができた、また、転勤で妻子とともに赴任した、というような場合、どうしても気になるのが子どもの教育のことかもしれません。

カナダの象徴

移民の国カナダは「人種のモザイク」、学校の子どもたちの顔触れを見ても、国際色豊かです。そのため、ダイバーシティ(多様性)に根差した柔軟な教育が施されています。英語が十分理解できない子どもたちのための教育制度も整っています。

カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の教育制度

当頁では、「教育」は州の管轄であり、州ごとに異なるカナダの教育制度のうち、中でも日本に近く、日本人にも馴染み深いバンクーバーのあるBC州(ブリティッシュ・コロンビア州)の基本的な学校・教育制度をご紹介します。

義務教育

カナダの義務教育期間は、日本のように小学校、中学校という分け方ではありません。「年令が7才から14才まで」で、法律では、親は子どもが7才になれば学校に通わせる責任があるとされています。
ただし、私立校に通う子どもや、病気の子ども、または家の近所に学校がない、あるいは交通手段がない場合等は例外視されます。もっとも、一般的には7才になる前に就学し、14才以降も学校に在学する子どもが大半です。

日本では、4月から翌年の3月までを“年度”として、基本的にこの期間内に生まれた子どもは、同じ学年に在籍します。つまり小学校の新入学生は、4月初めの時点では全員6歳です。
一方、カナダでは、前述のように、新入学時点での子どもたちの年齢には幅があり、新学期が始まる9月までに6歳あるいは7歳となる子どものほか、その年の12月までに誕生日を迎えて6歳になれば、5歳の子どもでも入学は許可されます。

学校の区分

BC州の公立学校は、バンクーバーやバーナビーなど、市によって、あるいは学校によって学年の分け方や名称に違いがあります。
一般的には、日本の小学校に当たるのがエレメンタリースクール、中学、高校を一つにしたのがセカンダリースクール、あるいはハイスクールと呼ばれます。セカンダリースクールとハイスクールは、さらにジュニアとシニアに分かれているところもあります。

エレメンタリースクールはグレード1から7まで、セカンダリースクール、ハイスクールはグレード8から12までです。市による違いを挙げると、例えば、バンクーバーやバーナビー、ノースバンクーバーなどは、ほとんどのセカンダリースクール、ハイスクールがグレード8から12ですが、コキトラムはジュニアハイスクールがグレード8から10、シニアハイスクールがグレード11と12、このほかグレード6から8までのミドルスクールというのもあります。

私立学校

グレーター・バンクーバー地区には、約100校の私立学校があり、スクールボードが運営する公立学校に代わる選択肢となっています。これら私立学校には男子校、女子校、共学の違いをはじめ、学年では小中高一貫、小学校のみ、高校のみ、また特徴としては寮のある学校、外国人学生を特に受け入れている学校などいろいろです。公立学校では12年生まで一切授業料がかかりませんが、私立の場合は学校や学年によっての差こそあれ、年間1万ドルから1万2千ドルくらいの授業料が必要で、寮付きの場合はさらに1万2千ドルくらいの費用がかかります。また語学力と数学の試験があるのが一般的で、過去3年間の学校の成績を提出しなければならない場合もあります。

このような私立校を選ぶ理由として様々な事情が考えられますが、その中でも一般的なのは、宗教上の問題や学生ビザの問題をはじめとして、学習環境と生活環境、米国への大学進学や就職といったことでしょう。

ちなみにビザ学生の場合、公立校への入学が困難であるとか、入学できても年間約1万ドルくらいの授業料を支払わなければならないことなどから、やむを得ず私立のインターナショナル・スクール等に入学するケースもあります。

カナダBC州のインクルーシブ教育
分けないから普通学級のない学校
カナダBC州のインクルーシブ教育

 

入学手続き

入学手続きは、学区内の最寄りの学校に8月末から9月の第二週目までに行います。引っ越しなどで都合が悪い場合は、この限りではありません。手続きには子どもの出生証明書が必要となり、カナダ以外で生まれた子どもは、永住権か市民権の取得が必要です。転勤でカナダに在住し、子どもを公立学校に入学させたい場合、地域の教育委員会から許可を得られれば、入学は可能です。

ESLクラス

英語がまったく理解できなかったり、少ししかわからない子どものために、ESLクラスの制度があります。
ESLクラスというのは「English as a Second Language」、つまり、英語を母語としない人々のためのクラスです。日本などから来た子どもたちは、まずESLクラスのある学校に通学し、英語に慣れることが求められます。

バンクーバー学区では、9歳未満の子どもは最寄りの学校で登録でき、9歳以上は教育委員会で登録します。ほかの学区では、年齢に関係なく最寄りの学校で登録できます。ただ、ESLクラスが満員だったり、近くの学校にESLクラスがない場合は、別の学区にある学校まで通学しなければならないこともあります。

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特別進級

カナダの学校には、成績の優れた生徒を対象とした特別の進級(飛び級)があります。エレメンタリースクールではグレード5から6という具合に学年から学年への進級で、セカンダリースクールでは、科目ごとの進級で、例えば、英語のグレード10から11への進級という具合です。この特別進級は、学年末および各学期末に行われます。

幼稚園

12月31日までに5歳になる子どもは、その年の9月に幼稚園に入園できます。費用はかかりません。時間は、午前か午後を選択します。カナダの幼稚園は義務ではなく、場所は学校の空き教室を利用します。

高校の卒業条件

1997年から単位履修制度が導入されました。合格した科目には2から4クレジットが与えられ、卒業には最低でも、グレード11と12を合わせて52クレジットが必要です。このうち、基礎学習として、英語のグレード11および12(ともに4クレジット)、数学のグレード11(同)、科学のグレード11(同)、美術(2クレジット)のほか、職業教育の充実を目的に、キャリア育成のグレード11および12(ともに2クレジット)、応用技術(同)、社会学習(4クレジット)などが必修となりました。

大学への進学

BC州には、UBC (University of British Columbia), SFU(Simon Fraser University) , UNBC (University of Northern British Columbia), UVIC(University of Victoria)の4つの州立大学があります。日本のような入学試験はなく、高校の最終成績で合否が決まります。

高校卒業後、こうした大学に進学するには、まず、グレード12の4科目(英語は必修)に合格していることが条件です。この4科目に合格すると、BC州政府が行うProvincial Exam(1月、4月、6月、8月、11月と、科目により年間で最高5回実施。2回まで受験可能)を受けなければなりません。試験の結果は、4科目の成績の40パーセントに影響し、高校での成績評価60パーセントと合算されます。高校の最終成績は、4科目がABCのレターグレード、このほかがパーセンテージで表わされます。

UBCの場合、グレード12の4科目の成績がレターグレードのA、A、B、B程度でなければ入学は難しいようです。ちなみに、Aは86パーセント以上、Bは73から85パーセント、Cプラスは67から72パーセントが目安。

外国の高校を卒業したインターナショナル・ステューデント、あるいはカナダに来て滞在期間が5年以下の生徒は、英語能力を調べるTOEFLテストを受けなければなりません。UBCなら、スコアが570点から580点を獲得する必要があります。また、日本の高校の成績表を提出しなければならないこともあります。

ユニバーシティー・カレッジ、カレッジから大学への編入

大学へ進学するためのカレッジはUniversity Collegeと呼ばれます。このほかの一部のカレッジを含めて2年間学ぶと、大学の3年に編入できます。

コミュニティー・カレッジ

1年から2年の期間で応用技術、ビジネス管理、科学技術などを学びます。大学で引き続き学びたい学生は、履修単位を振替し、編入も可能です。就職に必要な基本的技術を身につけるため、いくつものコースを用意している学校もあります。

帰国子女について

親の転勤などにともなって、カナダへ来た子どもたちには、これからの学校生活に、いろいろな期待と不安をつのらせていることでしょう。また数年後、親が任期を終えて帰国する時も、受験や編入、そして学校に適応できるかなど、また更なる不安も待ち構えています。せっかくの海外での貴重な生活体験を積極的かつ有意義に過ごしていただけるよう、帰国時の準備は計画的に効率よく進めていただきたいものです。ここでは、簡単に帰国受験や編入の際の概要をお話します。帰国の形態は各家庭によって様々ですので、ご家庭の教育方針と合わせて事前に検討されることをお勧めします。

現在、日本には、帰国子女の海外での生活体験や学習の成果を、日本国内の生徒とは別の視点から評価しようと、積極的に受け入れている学校があります。入学試験にも特別な配慮をしている場合が多いようです。

帰国子女の条件は、学校によって違いはありますが、中学と高校が「海外滞在2年以上、帰国後1年以内」、大学は「海外滞在2年から3年以上、12年生を海外で終了」が一般的です。帰国子女がこうした学校の入試に臨む場合は、この特別枠が適用されます。日本国内の生徒とは違った方法で選抜されますから、海外生向けの模擬試験で特性を知ることが大切です。しかし、帰国時期によっては枠からはずれてしまうこともあるので、ご注意下さい。 基本的に中学を受験する場合は、ほとんどの学校で国語、算数の試験があり、このほか理科、社会、作文、面接を課したり、英語力を重視する傾向も強いようです。中学編入は、公立ならいつでも受け入れますが、私立はほとんどの学校で国語、数学、英語の試験があります。

高校受験は、英語、数学、国語が主体で、作文だけの学校もあるようです。作文も英語か日本語か選べる学校もあります。高校編入は、受け入れ校に限りがあり、正確な情報収集が大切です。試験がある場合は、英語、数学、国語が主体です。 大学受験は、小論文、面接が中心で、英語力をみるTOEFLなどの結果提出を求める学校もあります。

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