韓国で日本語教師として働くには、すでに何らかの適正なビザを持っている人(例えば国際結婚をして現地在住で就労できる人など)を除き、通常は、会話指導E-2ビザを取得することが必要となります。

韓国で日本語教師として働くための大まかな流れ

  1. 韓国の日本語教師の求人情報などをチェック
  2. 求人に【問合せ】→【応募】
  3. 【採用が決定】したら?
  4. 勤務先の学校からの案内に従って、韓国で日本語教師として働くためのビザ、E-2ビザ(会話指導ビザ)を取得して韓国へ出発。

韓国で日本語教師として働く際に必要なE-2ビザの申請・取得はそれほど複雑ではありません。

基本的に採用が決まった学校からの指示に従って書類をそろえ、韓国大使館や領事館に持っていくだけ。

高いお金を払って仲介エージェントに依頼したり、高い参加費用を払うまでもありません。(エージェントを介しても、結局ビザ申請するのはご本人になる場合も多く、手間ヒマはあまり変わりません。)
ビザ申請・取得もその国を知るよい機会です。勉強にもなりますので、ぜひ自己申請にチャレンジされるとよいでしょう。

ビザの種類

韓国で有給の日本語教師として働こうとする人のビザは、E-2ビザ(会話指導ビザ)になります。

また、日本語教師として働く場合、事前に学校側から「査証発給認定書」が提供されるため、韓国の法務部長官のビザ審査・承認を受ける手間が省略されるので、比較的速やかにビザを取得することができます。但し、応募からビザ取得まで、1ヶ月はかかると思って余裕をもって行動しましょう。

きちんとE-2(会話指導)ビザが発給できる機関は、概ね、

  • 「外国語学院」の事業登録をしていて、教育長から運営許可を得ている機関
    または
  • 企業の語学研修センター

・・・などです。もちろん、上記の機関であれば必ずE-2ビザが発給・認可されるとは限りませんので、上記はあくまでご参考程度にしていただき、ビザ申請時の審査官の判断を第一優先に従ってください。

E-2ビザ発給審査の厳格化

尚、2007年10月29日付の韓国法務部(www.immigration.go.kr)の発表によると、近年の韓国内での無資格講師や外国人会話講師による不法行為(学位証偽造など)・犯罪行為(麻薬・性犯罪等)増加を根絶するため、2007年12月より査証(ビザ)発給審査の大幅な厳格化を検討しているとのこと。

具体的には、不適格な会話講師の流入を防ぐために、ビザ申請時に、無犯罪証明書(犯罪経歴証明書)と健康診断書の提出を義務化し、また領事館等でのインタビューの実施等に加え、またそれら不適格な講師を雇用した雇用主に対しての処罰などの強化策が検討されています。

このような動きが現在出ておりますので、これから韓国で日本語教師(日本語講師)として就労しようと考えている方は、必ず最新情報を韓国大使館・領事館等に確認するよう、ご注意ください。

ビザ申請・取得の流れ

  1. 韓国の日本語教師の求人募集情報(上述)や、インターネット上で広く一般に公募されている求人情報などに記載された語学学校へ問合せ
  2. 日本語教師の空き・求人があれば応募種類送付
  3. 書類選考
  4. 選考面接
    (選考面接は基本的に学校の担当者と直接、日本語により行われる場合がほとんど。電話で行われる場合が多いが、担当者が来日の際などは日本で、または韓国にて行われることもある。)
  5. 内定パスポート画像
  6. 【韓国の学校への提出書類】 ←学校からの指示に従えばOK
    • パスポ-トのコピ-
    • 履歴書(日本語)のコピ-
    • 成績証明書(原本)
    • 大学の卒業証書のコピ-
      卒業證書とは卒業式で授与される厚紙のものです。原本提出が必要な場合もあります。
  7. 採用決定後→学校からの指示に従ってビザ申請に必要な書類を学校に提出
  8. 学校がその提出書類を元に、韓国で「査証発給認定書/査証番号(査證發給認定書/査證番號)」を取得(約2週間かかる)→日本にいる応募者にそれらビザ申請に必要な書類を郵送
  9. 日本語教師応募者は韓国から届いた、
    • 「査証発給認定書/査証番号」(=滞留資格別添付書類の代用)に、
    • カラー証明写真(カラー3.5×4.5cm/3ヶ月以内に撮影のもの)1枚
    • パスポートを持って日本国内の最寄の韓国大使館・領事館に申請
    • 申請書(査證發給申請書)
      →大使館・領事館窓口にある。もしくは大使館webからダウンロード可能
      http://www.mofat.go.kr/fe/ICSFiles/afieldfile/2007/08/13/aa.pdf
      をそえて申請。日本人はビザ申請寮は免除(無料)です。基本的に上記書類で大丈夫だが、
    • 身元保証書
      が求められた場合は、基本的には雇用先の学校長(学院長)が保証人となる。
      ※上記はあくまで基本的な書類。担当官の判断では不要な書類や、さらに追加で必要な書類が生じる場合があるので、指示に従ってください。
  10. 通常は翌営業日には発給される→渡航→日本語教師勤務開始!
    ※韓国滞在が91日以上になる人は、韓国入国日から90日以内に滞在地最寄の管轄出入国管理事務所に外国人登録をしなければなりません。

その他参考

韓国のある学校の求人情報より「ビザ申請について」(2018年現在)

  1. まず、日本人ネイティブの先生を新規で採用する場合、必要な書類は次のとおりです。
    1. パスポートの写本
    2. 履歴書(英文)
    3. 学位取得の事実が記載された4年制大学卒業証明書 – アポスティーユ確認
    4. 犯罪経歴証明書(有効期間6ヶ月) – 日本国内ですべての犯罪歴が含まれている日本政府発行の犯罪経歴証明書 – アポスティーユ確認
    5. 自分の健康証明書
  2. 上記必要書類と署名された契約書を送っていただければ韓国水原法務部出入国管理所へ提出する予定で、E-2ビザ発行には2~3週間かかる予定です。
  3. 気になる点がございましたら、採用校まで問合せしてください。
  4. より詳しいことは韓国法務部出入国管理所相談センター(+81 – 1345)に電話すると、日本語で相談することができます。

韓国大使館・領事館情報

【注意点】ビザ申請受付は月~金曜日9:00~12:00
(日本の祝日と韓国の祝日も休みなので開館日を要確認)

  • 韓国大使館:東京都港区南麻布1-2-5
  • 韓国大使館領事部:東京都港区南麻布1-7-32 民団中央会館2・3階
  • 札幌大韓民国総領事館 :北海道札幌市中央区北三条西21-9-1
    (管轄対象:北海道)
  • 仙台大韓民国総領事館 :宮城県仙台市青葉区上杉5-5-22
    (管轄対象:青森、秋田、岩手、山形、福島、宮城県)
  • 横浜大韓民国総領事館 :神奈川県横浜市中区山手町118
    (管轄対象:神奈川県、静岡県)
  • 新潟大韓民国総領事館 :新潟市白山浦2-1-13
    (管轄対象:長野県、新潟県、富山県、石川県)
  • 名古屋大韓民国総領事館 :愛知県名古屋市中村区名駅南1-19-12
    (管轄対象:愛知県、三重県、福井県、岐阜県)
  • 大阪大韓民国総領事館 :大阪市中央区西心斎橋2-3-4
    (管轄対象:大阪府、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)
  • 神戸大韓民国出張所
    (管轄対象:兵庫県、鳥取県、岡山県、香川県、徳島県)
  • 広島大韓民国総領事館 :広島市中区鉄砲町5-12
    (管轄対象:島根県、広島県、山口県、愛媛県、高知県)
  • 福岡大韓民国総領事館 :福岡市中央区地行浜1-1-3
    (管轄対象:福岡県、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄県)
当ページは当ベージアップ時現在の情報です。あくまで目安としてご参考にしていただき、必ずその都度、該当大使館・領事館等に確認し、その指示を優先してください。
[参考]:
→http://www.mofat.go.kr/fe/e_a001/e_jpjp/e_jpjp_a04/e_jpjp_b13/1230386_31744.html
→http://jmad.sitecook.kr/ab-74526(E-2ビザについて)

その他韓国関連のQ&A

韓国の大学卒ではどうか?

Q. ビザ取得に四大卒が必須とのことですが、日本の四年制大学じゃないといけないのでしょうか。韓国の大学を卒業ではダメでしょうか?

A. 基本的には日本の四大卒が無難です。規定では、

該当する外国語を母語とする国家で大学以上の学校を卒業し、学士学位以上の資格を所持している者、またはこれと同等以上の学力がある者。

となっています。

「該当する外国語を母語とする国家」とは、つまり「日本語なら日本」のことであり、「日本の大学でなければならない」ということになります。

但し、これには、次のような「特例」があります。

該当する外国語を母語とする国家で高等学校、または専門大学(日本の短期大学に相当します)を卒業して韓国国内の大学で学士以上の学位を取得した者。(国内大学卒業者に対する特例)。
(http://jmad.sitecook.kr/ab-74526)

つまり、(韓国ではなく)日本の高校または短大を卒業して、韓国の4年制大学を卒業するのもE-2ビザ取得要件の特例としてある、ということです。

尚、これはあくまで書面上の「特例」であり、ビザ審査等は年々、変化・厳格化していますので、上記要件を満たせば必ずビザは認可されるということではありません。

韓国の大卒は不利

また、上記ビザの諸条件とは別に、勤務先(採用機関側)で、「日本の四年制大学卒業以上であること」と応募資格・採用条件を設けていることが多いです。理由は以下のようなデメリットがあるためです。

日本の大学卒ではないことのデメリット

  1. 韓国では、日本の大学入学のための指導(EJUや入試科目等)ができる日本語教師を求めていることが多く、日本語教師自身が日本の大学生活や入試を経験しておかないと、なかなか指導が難しい(説得力もない)側面があります。そのため、日本の大学を卒業している日本語教師が求められていることが多いです。
  2. さらに将来、韓国以外(例えば日本に帰国するなど)で就職しようとした場合、「日本の四年制大学卒」を採用条件として課している所もありますので、海外の大学への進学は、学部学科含め、慎重に選択されたほうがよいでしょう。

勤務先が変わる場合は?

Q. 韓国で日本語教師としてA学院から会話指導ビザ(E2ビザ)をもらった場合、その契約期間中(ビザ有効期限中)は他のB学院に移って働く事はできますか?

A. いいえ、基本的に不可です。ビザの根本的な性質を理解することが大切ですが、そもそもビザというのは非常に「限定的」で自由がないものです。
「A学院で定められた期間だけ働く」という限定条件で、ビザは認可されたのですから、それ以外の条件になる場合は、すべてが白紙になります。よってA学院での勤務をやめた時点で、ビザの有効性は消失します。B学院用のビザを改めて取得しなければなりません。

韓国に限らずどの国も同じですが、ビザというのは、その国にいる人たちをまず先に当たり「元々その国にいる人の中で該当者がいない場合のみ」初めて外国人に発給・認可される性質のものなのです(外国人の優先順位は二の次ということ)。
B学院のポジションに該当する人物が韓国に元々いる人達の中に該当者がいないかどうか査証されて、いなければ初めて「消去法的に」B学院での就労が許される、という性質のものです。

また、A学院とB学院を掛け持ちしようとする場合も、通常、最初のA学院は掛け持ちをあまり認めないことが多いです。というのも、掛け持ちすることで、A学院での勤務の柔軟性に支障が出ることと、B学院での評判やうわさは、保護者や生徒経由ですぐ広まり、ひいてはA学院の評判にも支障をきたしかねないからです。内密におこなったとしても、B学院に移民局の査察が入って、明るみになり、国外退去処分となってしまうこともあります。
これらのことはA学院との契約する際の注意事項などにも書かれているはずですので、ビザ発給時の契約書を今一度、ご確認ください。

韓国で日本語教師養成講座を受講したい

Q. 韓国在住の者です。韓国で日本語教師として働きたく、日本語教師養成講座を探しているのですが、当地では見つけることができません。やはり数ヶ月でも日本に帰国して学校に通うしかないでしょうか?子育て中の身でもあり、なかなかまとまった期間を日本に帰国することが難しい状況です。何か方法があればよろしくお願いします。

A. 基本的には韓国には日本語教師養成講座はない、あったとしても短期的・基礎的なものが非定期的に催されているものしかないかと存じます。420時間の日本語教師養成講座を韓国で開催したとしても、安定的な運用ができるほど需要がないのが実状です。
そのため、韓国ご在住の方は、こちらの韓国で受講できる日本語教師養成講座(通信)等を受講して、日本語教師を目指される方が多くいらっしゃいます。修了後、語学堂などで日本語教師として働いていらっしゃる方のブログなど散見できるかと存じます。